Cast >> Willie May Ford Smith, Sallie Martin, DeLois Barrett Cambell, Billie Barrett Greenbey, Edward O'Neal, Rhodessa Barrett Porter, Zella Jackson Price, Bertha Smith, Michael Keith Smith ...
Director >> George T. Nierenberg
Genre >> Documentary
総合ポイント >> 4.5/5点満点
Contents >> 4 Performance >> N/A Direct >> 4 Music >> 5
Natural rustic soul
ウィリー・メェ・フォード・スミスは80歳を迎えようとしていたが、現役でゴスペルを歌うシンガーであった。20年代からゴスペルを歌っていたウィリー・メェは、皆から「マザー」と呼ばれていた。そして実生活でも母であり、母として「マザー」として、その生活すべてをゴスペルに捧げていたのだった。
ものすごく土着なゴスペルのドキュメンタリー。胡散臭い演出がまったく見えない。余りにも自然体。ウィリー・メェは、ゴスペルの父と呼ばれるトーマス・A・ドーシーと共にゴスペルのコンベンションを開いている。2人共に歩くのがやっとなのに、元気に歌うのである。ゴスペルは人々の心を呼び起こす。ウィリー・メェの息子も、自分の母の歌声で泣いてしまう程である。思うに黒人は人一倍人の前では涙を見せない。奴隷時代にどんな酷い扱いをされたって、食いしばり、涙なんて見せなかった。しかしその黒人達は、教会ではびっくりするくらいに涙を見せ、真の姿を顕にさせる。ゴスペルにはそういう力がある事を、今回改めて見せ付けられた感じがした。そして悪魔の音楽といわれたブルースとゴスペルが、ゴスペルの父ドーシーの元で結びつくのが、面白い。やはり黒人は第2の人生にかけている。
ゴスペルは黒人の生の声であり、このドキュメンタリーは黒人の生の姿を浮き彫りにしているのだ。
(7/14/12:DVDにて鑑賞)