Chico & Rita / チコとリタ (2010) 1032本目
アカデミー賞の長編アニメーション部門にノミネートされた作品。その時にもチラっと書いたけど、この作品が気になってました。やっとアメリカでDVD化。早速観ました。うーん、さすが映画臭覚は狂ってない!見事にハマってしまいました。素晴らしいというか、素敵です。
タイトルのチコとリタのキューバとニューヨークでの恋物語。情熱的でありながらも、とーーっても純愛。「Carmen Jones / カルメン (1954)」を感じさせる部分もある。そしてアフロキューバンジャズを見事に融合させていて、しかもアメリカのジャズシーンも垣間見られる。実在したチャノ・ポソのエピソードも上手く物語に融合させていたり、ディジー・ガレスピーとかチャーリー・パーカーにナット・キング・コールまで登場してくる!でもティト・プエンテは白過ぎでキラキラし過ぎかな?キューバのベボ・ヴァルデスの半自伝的なストーリーだそうで、ベボ・ヴァルデス自身が主人公チコのピアノを演奏している。日本の雑貨店のじゃなくて、本家の有名なジャズクラブのヴィレッジ・ヴァンガードが出てきたりするのもいいし、ジャズが地下室で演奏されている雰囲気もいい。
キューバ革命を迎える前のキューバが舞台なので、アメリカ人がキューバにいたり、キューバのミュージシャンがニューヨークに渡ったりというのも描かれている。でも次第に革命に向けて時代は動いている時でもあり、そういう悲劇もある。キューバとアメリカの関係は複雑。アメリカはここまで来て搾取していた事が分かる。
男性の方のチコは、先に書いたようにベボ・ヴァルデスがモデル。絵自体もベボ・ヴァルデスがモデルになっている。女性のリタはどうやらリタ・モンタネールらしい。でも実際にヴァルデスとモンタネールが恋愛関係にあったのかは分からないが、結末はどうやら違うみたいですね。この映画の結末が、実に素敵。最高!そんな恋愛してみたいわ!!って思わせてくれます。でも実際にリタ・モンタネールはニューヨークで活躍していた。
絵も実際に俳優を動かせて、それをアニメにしているので活き活きしている。細部にこだわっていて、日本のあのジャズ雑誌「スイングジャーナル」もちゃんと出てた!ってか、スイングジャーナルも休刊しちゃってたんだね。寂しい。でもここでは日本を代表して生きてるよ!そして、特典映像では日本のアポロ社のスケッチブックが、ばっちり映ってました。
(5点満点:9/21/12:DVDにて鑑賞)