ジョージ・クルーニーがハワイの最後の王妃リリウオカラニの「子孫(The Descendants)」を演じるドラマ作品。ハワイと言ってみんなが思い浮かべるオアフ島だけじゃなくって、ビックアイランドと呼ばれているハワイ島、そして自然が沢山残っていて映画の撮影にもよく使われるカウアイ島にも飛ぶのが面白い。クルーニーが冒頭のナレーションで話している通り、確かにハワイはハワイに住んでいない人には憧れのパラダイス。住んでいる人たちは幸せだろうなって思う。しかし住むのも大変。パラダイス・タックスとハワイの人たちは呼んでいるが、税金は高いし物価はアメリカ本土に比べたらトンでもなく高い。そこで不動産で生活しているのが、クルーニー演じるキング。王妃の子孫の名前がキングというのも出来すぎ。しかもキングは他の従兄弟等と共に壮大な土地を所有している。しかしその土地ももうすぐで権利の期限が切れてしまうので、その前に売ってお金にしたい。他の家族もそう思っていた。そんなキングに突然やってくる悲劇。その悲劇がどんどんと悲劇を呼んでいき、最後には全てが結ばれてしまう。そんな事、キングは知る由もなかった。
原作者はハワイ出身のカウイ・ハート・ヘミングス。けど私が好きなハワイの雰囲気は全く感じられなかったかなー。私もハワイに住む前までは、ハワイなんてミーハーぽくて嫌!なんて生意気にも思ったけど、いざ行くとやっぱり好きになりましたものね。それはハワイの人々の人柄故。でもハワイに住んでいた時にハワイの人に「ハワイの人たちはいい人多いでしょ?」って良く言われたけど、日本以外で海外に住むのはハワイが始めてだったからそんな実感無かった。でも別の所に住んだ時に、始めて実感しましたね。この映画でハワイの雰囲気があるとすると、その家族の絆の強さとか家族のつながりを大切にしている部分かな。ハワイの人は大抵「俺、ザ・ロックの遠い親戚」とか「ヨコヅナの従兄弟」とか言ってきます。住んでる時にWWEのそのヨコヅナのサイン会に行って並んでたら、「私ヨコヅナの遠い親戚なのよ」って言ってた。なら何で並んでるのよ!と思ったものです。
ジョージ・クルーニー演じたキング家は、ハワイではハオレと呼ばれる人々。ハワイにやってきた白人の事をハオレと言う。ハオレとロコと呼ばれるハワイの人々の間には、長年の軋轢がある。それは第3者として少し住んでいても、物凄く感じた。けど、それは殆ど描かれてないんだよねー。描かれているとすれば、キングの周りの人はみんなハオレだったでしょ?出てくるのはなぜかみんなハオレだったでしょ?唯一出てくるのが、一番下の娘のクラスメート位。そういう事なんですよね。だからかなー、何かずっしりと来るものが私には無かった。せっかくの美しいハワイの音楽もあの家族には合ってないようにも思えたんですよねー。私が大好きなハワイの色んな意味での暖かさが感じられませんでしたね。
(3.75点/5点満点中:5/21/12:DVDにて鑑賞)