SOUL * BLACK MOVIE * ブラックムービー

ブラックムービー、ブラックスプロイテーションなどについて

スパイク・リー@サンダンス映画祭

もはやインディペンデンス映画祭とは思えない程、盛大に行われ、政治的にも利用されているのが、ロバート・レッドフォード主催のサンダンス映画祭。今年もユタのパークシティにて1/19から29日まで開催された。そのまとめ。と思いましたが、スパイク・リーの部分が長くなったので、とりあえずスパイク・リーに関してまとめてみました。

まずこの映画祭で、そしてブラックムービーとしても注目を集めたのが、スパイク・リーの最新作「Red Hook Summer / 日本未公開 (2012)」のプレミアだった。この作品は久々にスパイク・リーがあの「Do the Right Thing / ドゥ・ザ・ライト・シング (1989)」で演じたムーキーを演じている作品。しかしこの映画制作時にはまったくノーマークで、制作されている事すら情報がリークしなかった作品。スパイク・リーのサイトで始めてアップされて、ニュースとなった。みなスパイク・リーの最新作は「Brooklyn Loves Michael Jackson / 日本未公開 (2012)」だと思っていたのだ。この作品は「Red Tails / 日本未公開 (2012)」で人気上昇中のネイト・パーカーが出演している。

スパイク・リーはそのプレミアの後のQ&Aで、スーパーボウルへの出場を決めたスパイクの地元ニューヨーク・ジャイアンツのジャケットを羽織り、ステージに立った。

11分頃には『これは「Do the Right Thing / ドゥ・ザ・ライト・シング (1989)」の続編なんかじゃないんだ』。と強く強調している。そして今話題になっているのが、15分頃から始まるスパイク・リーの説教。会場に居たクリス・ロックが『この映画って、スパイクも自分のお金使ったんでしょう?もしスタジオがもっと沢山のお金を用意してくれたら、やっぱりもうちょっと違う風に出来たと思う?やっぱり、もっと派手に爆発とかさせてたの?』と冗談とハリウッドへの皮肉混じりで質問した。そしたら、スパイクは止まらない。『スタジオに話は持ち込まなかった。言ったろ!言っただろ!!自分でカメラを買って、自分達でこの映画をやるって言っただろう!』とスタジオへの不満をぶちまけた。そして『レッド・フックについてスタジオが俺に何か言ってくれるとか有り得なかった!奴等は黒人の事なんて何にも知っちゃいない。で、俺に向かってレッド・フックの13歳の男の子と女の子ついて何か言ってくるなんて、考えられないね。ムカつく』と答えている。

これは「レッド・テイルズ」がアメリカで公開された時に制作者のジョージ・ルーカスがマスコミに向かって「ハリウッドは黒人映画を支援していない」と発言したのを受けて、クリス・ロックが質問したものだと感じた。スパイク・リーは「レッド・テイルズ」を早くから支持し、本物のタスキーギ・エアメン達と共にプロモを行ったりもしていた。

そしてこちらがハリウッド・リポーターのインタビュー記事サンダンス映画祭の舞台上とは趣が違いますが、大体同じ事を語ってます。そしてこの「レッド・フック・サマー」が生まれた背景に、スパイク最大のヒット作「Inside Man / インサイド・マン (2006)」の続編の話が流れた事をあげている。また、プリンスとスティービー・ワンダーKanye Westでミュージカルを撮りたい!なんて事も語っていますので、必見。

こちらにはネイト・パーカーや主役のクラーク・ピーターズ、共同脚本家のジェームス・マクブライトのインタビュー

そしてこちらはスパイク・リーのインタビュー。映画についてもっと詳しく話してくれています

Mookie Once More: Spike Lee Discusses His Own Film Universe & Its Recurring Characters & Locales | IndieWire

まだまだ怒りの若獅子健在。

で、肝心の映画「レッド・フック・サマー」の評価。The Playlistは「ここ最近ではもっともスパイク・リー映画らしい作品。またアーティストとしての声を取り戻している」と高評価。しかし一方でハリウッド・リポーターは「2時間もドラマの内容がフォーカスされておらず、醜い意外な新事実等を暴力へどこからともなく傾斜する前に、無限に教訓的に論じている」と書いている。6割は褒めている。しかし、どこも褒めているのが、今回の音楽。今回はブルース・ホーンズビーとジュディス・ヒルが幾つかの楽曲を提供していて、上のサンダンスでのQ&Aのステージに2人とも上がっている。ちなみにジュディス・ヒルマイケル・ジャクソンのバックシンガーで日本人の母とアメリカ人の父の間に生まれたミックスでもある。映画での音楽についてヴァラエティ誌は「すべてのシーンで、強力な音楽は、作品のその飽和色が視覚的にそうするのと同じように反響を増強している」と書いている。

様々なレヴューから察するに、この映画はスパイク・リーからタイラー・ペリーへのアンサー映画である。以前から伝えているように、二人の間には確執がある。タイラー・ペリーは飽きもせずに、自分のサイトで「成功する秘訣」をアップしていて、その中で「神を称える事、それのみだ」と話している。私はこれ聞いた瞬間にブラウザー閉じましたけどね。それ故か、この作品は「アンチ宗教?」なんていう質問をぶつける人もいるみたいです。スパイク・リーは「自分はアンチ宗教の映画なんて作ったつもりはない」と答えている。