Cast >> Cyril Guei, Jhem Chuop, Soeum Chhoeum
Director >> Rithy Panh
Writer >> Michel Fessler, Rithy Panh
Genre >> Drama
Country >> France
総合ポイント >> 4.5/5点満点
Contents >> 4 Performance >> 5 Direct >> 5 Music >> 4
Keep the friendship
1972年のカンボジア。そこではクメール・ルージュが武装闘争中で、小さな村を制圧していた。両親の居ない少年は、その彼等の考え方にすっかり染まっていた。その少年は、元々の感で村に落ちた飛行機の残骸からまだ生存者が居ると判断し、探してみると、そこには黒人兵士(シリル・ゲイ)が居た。少年はその兵士を捕まえて、リーダーの元につれていくと、彼等はその黒人兵士を「飼う」事になったのだった...
第2次世界大戦時を舞台にした大江健三郎の短編「飼育」。それを70年代のカンボジアに置き換えて作り直した作品。大島渚監督の「飼育」ともまた違う大江健三郎の「飼育」を表現している。全く接点のなかったアメリカの黒人と接する事で起きる科学反応。この作品では、その化学反応を主に描いている。「飼育」して観察する事で、同じ人間である事を知る。言葉も通じない両者が、次第に心開いていく。その様を、実際に当時カンボジアで虐げられていた監督は、子供達が戦争に染まっていく悲劇と共に描いている。しかし監督がそうだったように、子供達は自分達の表現の場を得る事で明るい未来も待っている事が分かる。
人間の醜態を晒す戦争。しかしこの作品は人と人との心の繋がりを見れた事がギスギスしてなくて良い。カンボジアと日本、全く違う時代での戦争の姿だ。
(10/23/11:劇場にて鑑賞)