Cast >> Robert Judd (Ted Turner), Catherine Peppers (Mrs. Turner), Lela Small (Grandma Turner), Yvonne Ross (Corrie Turner), Reggie Rock Bythewood (Floyd Turner), Ramon Saunders (Val Turner), Queenie Endelson (Dog) ...
Director >> Robert A. Endelson
Writer >> Straw Weisman
Producer >> Robert A. Endelson, William Mishkin
Genre >> Crime
Country >> USA
総合ポイント >> 5/5点満点
Contents >> 5 Performance >> 5 Direct >> 5 Music >> 5
The measure of a man is dignity.
白人のケイン(ウィリアム・サンダーソン)、ヒスパニックのチノ、中国人のリンの3人は刑務所から輸送中に、NYの町で故意の事故に遭い脱走した。3人は看守から奪った銃で車を奪い、そして強盗と殺人を繰り返して、アメリカから出る為に北へ向かった。小さな町で強盗の為に入った酒屋で、黒人の若い女の子コリー・ターナー(イヴォンヌ・ロス)を見つけ、彼らはコリーを人質にターナー家に向かうのだった。そこには車椅子のお婆ちゃん(レラ・スモール)、お母さん(キャサリン・ペッパーズ)、弟のフロイド(レジー・ロック・バイスウッド)が居た。そして牧師のお父さんテッド(ロバート・ジャッド)が帰ってきた。ターナー家の戦いが始まるのだった...
イギリスやスウェーデンでは、余りの内容の際どさに上映禁止となっている。しかしわが国日本では上映されている。イギリスやスウェーデンでは、その内容とケインの言葉が検閲に引っかかった。ケインは映画史上最悪の差別男である。16歳で初めて刑務所に入って以来、彼は全てを他人のせいにして生きている。両親と恋人からの裏切り。それらが彼を差別者に仕立てあげた。しかしこの映画の面白さは、そんなケインに対して観客は決して同情なんか出来ないようにさせている点だ。演じたウィリアム・サウンダーソンが見事なまでに最低な男を演じているので、同情する隙など与えない。ケインは犯罪者なのだ。泣き言なんて聞かなくて正解。ケインと戦うことになるのが、黒人家族。牧師の父親は何事もないようになあなあ主義でケインに対抗する。それが余計にケインをイライラさせている。お婆ちゃんと息子はお父さんとは違い負けん気が強く「ブラック・パワー」を口にする。
一見史上最悪なエクスプロイテーション映画だが、実に奥深い人種問題や社会問題を含ませている。まやかしのパワーを道具によって手に入れた男。それに対して威厳だけで立ち向かう男。その男達のラストシーンにて、史上最強のエクスプロイテーションとなったのだった。
(09/24/11:DVDにて鑑賞)