Dr. Black, Mr. Hyde / 日本未公開 (1976) 868本目
騙されたのよ。アマゾンでこの映画のDVDのジャケット見て、てっきり35周年記念「バージョン」だと思ってたんですよ。という事は珍しい特典映像が入ってたりするのかな?って。ジャケットの感じも割とカッコいいじゃないですかー。買ってしまえ!と買いましたさ。所がさ、ただ単に「35周年!!」という事で、バージョンじゃないらしい。確かにどこにも「バージョン」なんて書いてないのよ。特典は予告編のみ。コメンタリー特典もなし... がっくし。やられた。詐欺並みよ。でも主演のBernie Casey (バーニー・ケイシー)大好きだから、無理矢理納得させた自分を。じゃなかったらこのDVD発売しているVCIエンタテイメントをT.N.T.してる所ですわ。
でも割と面白かった。ロサンジェルスのワッツが舞台。何ていうか、モロにワッツ。そこで無料診療所をやっているのが、バーニー・ケーシィ演じる医者。彼は研究も認められていて、賞にも輝いている程の人物。しかし、今回の肝臓治療の研究が中々上手くいかない。苛立ちと焦りで、自分でその血清を試してしまうのです。まあそうすると変身するよね。何に変身すると思います?ヒント「黒人映画」。そう、白人に変身しちゃうんだね。しかも超人ハルクばり。元々バーニー・ケーシィは大きいじゃないですか。元フットボール選手ですし。彼の体格が生かされた感じですかねー。そして医者として成功しているのにも関わらず、過去のコンプレックスに取り憑かれており、それらを執拗に追うんです。何かちょっと悲しい。ホラーなのに切ないわー、こんな感じ「Blacula / 吸血鬼ブラキュラ (1972)」以来だわーと思っていたら、監督が同じウィリアム・クレイン。
ウィリアム・クレインはチャールズ・バーネットやハイレ・ゲリマと同じ時代にUCLAの映画科に居たのだけど、彼だけはなぜか「LA Rebellion(LAの反逆者達)」には属さなかった。「Penitentiary / 日本未公開 (1979)」のジャマー・ファナカが居たのだから、クレインも居ても良かったと思うのだけど... 彼は「ブラッキュラ」とこの作品以外は、商業的な映画ばかりを撮っていた。でもこの2作品は非常に黒人らしい作品で、黒人ならではの哀しさがあります。しかもワッツの象徴であるワッツタワーで「キングコング」をオマージュ。同僚の最後の台詞がこれまた切ない。
(4点/5点満点中:DVDにて鑑賞)