イギリス産の同性愛を描いた青春ドラマ。なんとソフィー・オコネドーのデビュー作。
私、一時期というか、中学時代にイギリス産の映画にはまっていた事がある。ちょうど私の中学時代にイギリス産の映画が流行ってたんですね。日本ではミニシアターブーム。「アナザー・カントリー」とか「マイ・ビューティフル・ランドレット」とか最高でしたよね。「モーリス」とかもありましたね。私は「マイ・ビューティフル・ランドレット」が好きで何度も見ましたねー。「アナザー・カントリー」や「モーリス」のような上流階級よりも、「マイ・ビューティフル...」のような労働階級の方が面白かった。反骨精神がね。同性愛ではないけれど「あなたがいたら」という労働階級系青春映画も良かった。こちらも反骨精神。パンクっすよΨ(`∀´)Ψ。その全てを上手く取り入れているのが、この映画。セックス・ピストルズがデビューした2年後の1977年が舞台。ちょうどエリザベス女王在位25周年祝賀会が行われる直前。そこでアメリカの音楽(特にファンク)を好んで聴いている2人がラジオの海賊放送「ソウル・パトロール」をしている。しかし友人のTJがゲイが集まる公園で殺されてしまう。と、サスペンス的な要素がありつつ、イギリスの70年代の若者の世相を描いた見事な青春映画ですね。ソウルボーイ、パンクス、ファシスト等の三者三様の人たちがそれぞれの思いで出てきます。映画全体的に監督の思想がビシビシと伝わってきます。何気ない壁の悪戯書きとかもいいですね。2人の主人公を通してみる、ゲイとヘテロの関係。友情なのか恋愛感情なのか...2つは衝突する。ラストはどうなるのか?スッキリと綺麗に決まっている。
この映画を作った監督のアイザック・ジュリエンは同性愛者。有名なセントラル・セント・マーチンズ・カレッジ・オブ・アート・アンド・デザイン出身。イギリスではメネリク・シャバズが英国黒人映画監督のゴッドファーザーであるらしいが、移民なので、イギリス生まれという点はこのアイザック・ジュリエンはパイオニアかもしれない。移民と言えば、この映画に出てくる黒人は移民が多い。アフリカだったり、ジャマイカだったり。そして主人公の1人は白人とのミックス。でもそういうのをサラりと描いているのがいい!くどく無い。
ソフィー・オコネドー、変わらないですね。可愛い!イーモン・ウォーカーも若いっす。しかも監督の趣味かお尻まで...うふふ。
先日行った「黒人映画講座」終わりに森田氏とこの映画の話題になったのです。凄い偶然!!
(4.75点/5点満点中:DVDにて鑑賞)