For Us, the Living: The Medgar Evers Story / 日本未公開 (1983) (TV)
Cast >> Howard E. Rollins Jr. (Medgar Evers), Margaret Avery (Dottie), Roscoe Lee Browne (Gloster Current), Irene Cara (Myrlie Evers), Laurence Fishburne (Jimbo Collins), Thalmus Rasulala, Dick Anthony Williams, Paul Winfield (Sampson) ...
Director >> Michael Schultz
Writer >> Ossie Davis, Ken Rotcop, Myrlie Evers (book)
Producer >> Ken Rotcop ...
Genre >> Drama
総合ポイント >> 4.75/5点満点
Contents >> 5 Performance >> 5 Direct >> 5 Music >> 4
Brave foot soldier in hot place
1963年6月11日、その日はジョン・F・ケネディ大統領が人種差別についての大事なTV演説をしていた。ミシシッピーのNAACPの代表メドガー・エバース(ハワード・E・ロリンズ・ジュニア)は、集会のスピーチを終え、家族と別れた後に、TVインタビューに答え、車で大統領のスピーチを聞きながら家路に急いだ。車から降りた所で、銃弾を受け倒れた。そんなエバースの戦いは10年前から始まっていた。結婚したばかりのマーリー(アイリーン・キャラ)とのデート中に、黒人住民の家を回り、NAACPについて話していたが、彼らを雇う白人達から嫌がらせを受けていた。NAACPのミシシッピー支部の代表に選ばれるが、子供が生まれたばかりのマーリーと対立し...
公民権運動時のミシシッピー、いや今現在でもミシシッピーは大変な場所である。諦めるしかない...そんな状況を作り出す迫力すらある州。その状況の中で孤軍奮闘していたのが、メドガー・エバースという男である。第二次世界大戦では、ヨーロッパで戦った軍人でもある。ミシシッピーのみんなが諦めているので、誰もNAACPの代表をやりたがらない。なぜならそこには「死」が待っているのが一目瞭然だったからだ。でもエバースはだからこそ諦めてはいけないのだと、立ち上がる。そのエバースの苦悩をストレートに描いている作品。エバースを演じたロリンズは実に聡明でエネルギッシュにエバースの英雄像を演じている。マイケル・シュルツの演出も上手い。教会で待つ大人達が「We Shall Overcome」をしっとりと歌い、学生が中心の若者たちが「Ain't Gonna Let Nobody Turn Me Around」を歌いながら力強く教会に入ってきた時に二つの曲が重なり合うのが感動的。
メドガー・エバースは第二次世界大戦の激戦地で戦い無事に帰国した。故郷ミシシッピーの地でも勇敢に戦った。それでも彼は差別に満ちた男の手によって殺されてしまった。彼の苦悩や努力をストレートに見たので、どうしても涙と怒りが溢れてくるのだ。
(1/13/11:ビデオにて鑑賞)