この映画で今年の映画開きをしました。今年の映画運を占う上で、この映画を選んで本当に良かった。最高の映画でした。アフリカのブルキナファソの映画。アフリカ映画を知る人なら、ブルキナファソがどんな場所がご存知の事と思う。アフリカの映画祭最大のフェスパコ事「ワガドゥグ全アフリカ映画祭」が開催される国でもある。2年に1回行われる映画祭で、今年がその年ですよねー。今年の2月からなので、もうすぐで来月ですね。一度は行ってみたいフェスパコ。今年はどの作品が受賞するんでしょうか??楽しみ。ちなみに2年前は「Teza / テザ 慟哭の大地 (2008)」でした。そしてこの今回の作品は2005年の第19回のフェスパコで第3位になった作品です。その時のグランプリは南アフリカの「Drum」という作品。
のどかな田舎...というか、ゴツゴツした岩が立ち並ぶ丘の上にある村でのどかに生活していたのが、この映画の主役ソゴ。もう50歳位かな?60歳かな?で、昔はフランス陸軍でインドネシアやアルジェリアで戦った兵士。確か10年ちょっと軍に所属していた。なので恩給がやっと入ってくる事になったので、離れた町まで自転車で申請しに行くが、その日はコンピューターがダウンしてダメ。そこでカリルという万屋に話しかけられて、恩給が入るならローンで製粉機を売ってやるといわれ、契約書も見ずにカリルの言う事ならと契約。次の日も自転車(と言っても平坦な道に下りるまで、ゴツゴツした岩を降りないとダメなので自転車担ぐ)で、離れた町まで出かける。しかし、恩給者リストの中にソゴの名前も番号も無いといわれてしまう。激怒して、関係各位の部署や人に出向くが、どうにも埒が明かない。そうなのです、アフリカ映画の父ウスマン・センベーヌの「Mandabi / 日本未公開 (1968)」を思い出すのです。途中にもやはりセンベーヌの「Moolaade / 母たちの村 (2004)」を思わせる場面もありました。でもこの映画の場合、主役のソゴが軍の制服を着て大きな体で自転車を乗ったりする姿や、そのほかにも何ともいえないコントラストで面白いのです。もうラストは見事!面白かったー。やっぱりラストが決まる映画は良い!
とは言え、やっぱりアフリカ人によるアフリカ映画なので、しっかりとしたメッセージが核にはある。ソゴは多妻制を反対。妻一人を愛する。でも妻が買ってきて欲しいと言っていた石鹸の事は無視。その変わりに村の女達が欲しがっている製粉機を買っちゃう。村の村長を尊重する(なんか駄洒落みたくなったけど)。戦争で戦ったからこそ、戦争に反対している。でも軍人の血が染み付いていて、いつに退役したとか、退役番号とかまで覚えてしまっている。途中、途中で歌う人達は口頭伝承のグリオを思わせる。風情がある。情緒がある。それらを上手くまとめた。ラストは最高!凄い!佳作!!
うぅぅぅぅ... フェスパコ行きたい!!お金と自由をください!!誰かー!!!
(5点満点:DVDにて正月からタスマ(炎)になりながら鑑賞)