ティーンで妊娠・出産した母と娘の愛憎劇。これは見ごたえのあるドラマでしたね。自分も母として娘として最後は号泣。というか、慟哭。後に引く泣きでしたね。ナオミ・ワッツが体当たり。ヌードまで披露しているのにはビックリした。ま、サラリとちょっとだけど。でも演技で言えば、サミュエル・L・ジャクソンが凄い。「マザーファ○カー」を一言も言わない(言うタイミングはあった)、モーガン・フリーマンが見せそうな物凄く渋い演技を見せている。蛇とっ捕まえて「マザーフ○ッカー」言うサミュエル・L・ジャクソンも好きだけど、こっちもイケる。この人はたまにこういう演技を見せるからたまらないんですわ。男として大人として責任を全うしようとする大人の男。お母さん役にはアネット・ベニング。ティーンで出産・妊娠した事で難しい人間になってしまっているんです。産んだはいいけれど、母からの強い要望で養子に出してしまった為に子供を自分の手で育ててはいない。そして今はその母の介護をしている。養子に出された子供は子供で、実の母の愛情を受けていないし、養子に出された所でも可愛がって貰えなかったので、非常に難しい性格になってしまっている。この子が悪い。非常に悪い。同じ女として自分の夫や彼氏の周りには絶対に居て欲しくない女性。今で言うなら麻木久仁子的悪女。いや逆にいい子かもね。わざと相手の妻に浮気をバラす為に、自分のパンツをタンスに忍ばせちゃうんだから。そして養子を貰おうとしているのが、ケリー・ワシントンが演じた若い女性。そして養子に出そうとしているのがシャリーカ・エプス演じた20代の大学生の女の子。シャリーカ・エプスが尖がっていて良い!この映画で好きな場面は、ケリー・ワシントンが念願の子供を手に入れた時、全然思っていた通りにいかなくてキレちゃう。そんな時にワシントンの母親役を演じたS・エパサ・メカーソンが来てピシっと言う場面ですかねー。それまでのワシントンとメカーソンの関係が微妙だっただけに余計。貴方はいつでも私の甘やかされた娘ではあるけれど、赤ちゃんにとっては貴方は母親なのよ!って感じですかねー。あのシーンはキマしたね。あとシャリーカ・エプスがどーしようもない母に会いに行って話す場面もキマす。ま、この映画のメインとなっている母と子の性格の難しさって、様々な彼女達の経験がそうさせてしまったように見せておいて、実は似たもの親子なんじゃないかと思わせる所が上手いですねー。もう最後のオチといい、素晴らしい!
アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ(テストに出たら確実にフルで書けない)、恐るべし!是非「フローズン・リバー」と共に見てもらいたい女性映画ですね。日本でも新春ロードショーっす。
(4.75点/5点満点中:DVDにて嗚咽鑑賞)