こちらは上の作品とは全く別な趣の寒い冬にピッタリな作品。いや暑い夏に見た方が涼しく感じられるかも?
オスカーにもノミネートされ、サンダンス映画祭では大賞に輝いた作品。カナダとの国境のニューヨークの町に住むお金に困っている女性とその家族のお話。この映画でオスカーの主演女優賞にノミネートされたメリッサ・レオが演じるのがレイという女性で2人の息子を抱えている。1人はもう高校生くらいで、もう1人は小学生の低学年。夫は居たが、新居購入と言ってもトレイラーハウス購入為の4000ドル(40万円)ほどのお金を溜めていたが、夫がギャンブルに使うために持ち逃げしてしまう。レイは日本で言う100均ショップの店員。しかもバイトで同じ所に長く勤めているのにベネフィットがつく正社員にはして貰えない。かなり厳しい状況で、高校生の息子は育ち盛りなのに夕食がポップコーンだけ。ランチ代だって母が小銭をかき集めてやっと食べる状況。レイは夫を見つける為に出かけたのがビンゴ場。そこで夫の車を発見。出てくるのを待っていたら、車を運転していたのが謎の女性。追いかけていくと、そこにも小さなトレイラーハウスがあった。女に聞くと、長距離バス乗り場に乗り捨ててあったと言われる。そして今から仕事で使うからもし時間があれば半分渡すからと言われて、お金の無いレイはしぶしぶ承諾。その仕事がカナダから不法入国者たちを運ぶという仕事だった。その謎の女ライラはネイティブアメリカンで、もし捕まってもネイティブアメリカンの居留地に行けば平気という事だった。冬には氷で固まってしまう川を通り二人は不法入国者たちを連れてくる。レイラはこの仕事はレイにとっては簡単よ「なにせ白人女だからね」と言うのです。
低賃金で働くメリッサ・レオが熱演。私が前にアメリカで遭った(会ったというより遭っただね)凄い女性にそっくり。その女性とはスーパーで買い物中で2回出会ったのだけど、あまりのインパクトの強さに2回共にハッキリと顔も覚えている。彼女はこの映画のレイと同じような状況だろうなーという雰囲気があって、会計の時にカードで支払うんだけど、大抵は限度額を超えていてカードが使えない。彼女にとってクレジットカードは限度額まで仕えるフリーなお金だと思っているらしく、「あらもう限度額なのね、じゃあカード捨てなきゃ!」とハッキリ言っていた。その女性にそっくり!この映画の素晴らしさはレイラのサイドストーリーにもあると思います。最後はレイラに「なにせ白人女だからね」と言われたレイのホワイトギルトによって...
映像も淡白で寒い雰囲気がとっても出ていて切なくなります。女の幸せって何よ!!と考えさせられるいい映画です。
(4.75点/5点満点中:DVDにて鑑賞)