SOUL * BLACK MOVIE * ブラックムービー

ブラックムービー、ブラックスプロイテーションなどについて

Teach: Tony Danza

ブラックムービーとは全く関係ないのだけど、俳優のトニー・ダンザが出演しているリアリティショーを見た。リアリティショーは嫌いで見てないのだが、夫が見ていたので思わずつられて一緒に... 俳優のトニー・ダンザと言っても日本ではあまり知名度が無いかもしれない。アメリカではTVシリーズ「Taxi」と「Who's the Boss?」で有名。日本でアリッサ・ミラノが有名になった時に彼女が出ている「Who's the Boss?」のパパ役という事でロードショーとかスクリーンという雑誌で私は彼の名前を覚えた。そのトニー・ダンザがフィラデルフィアの公立高校の先生になるというリアリティショー。10年生(日本の高校1年生)の国語を担当し、フットボールチームや他のクラブも担当。その高校に居る教師指導の先生や校長と共に悩み、生徒と触れ合う。今、アメリカはかなり教育問題について興味があると思う。「Waiting for 'Superman' / スーパーマンを待ちながら (2010)」という学校を扱ったドキュメンタリーも注目を集めている。

フィラデルフィアという場所柄なのか、その高校独自なのか分からないが、割りと人種に偏りが見えない。白人50%、黒人47%、アジア人1人、ヒスパニック多分数人。これが実にアメリカの公立高の問題点を突いていて面白い。ダンザは今度小テストを行うので、その題材になるジョン・スタインベックの「二十日鼠と人間」をみんなに読んでくるように伝える。そうすると、フットボールチームに所属しているちょっと太めの白人の男の子は「読んだけど意味が分からなかった」と話す。そこでダンザが「何度か分かるまで読んでみたら?」とアドバイスすると、「何度も読んだけど分からなかった」と返す。でも実際には全然読んでなかったのです。一番後ろの席に座る黒人の女の子は授業中に携帯電話でメールをしていて上の空。ダンザが話しかけると「何でもない。大丈夫」を繰り返すだけで、ダンザに心を一切開かない。見かねたダンザはその女の子の母親と話すけれど、一向に良くならない。ダンザは他の先生とかにも相談し、ついに感極まって号泣。それとは逆にモンテという背の小さい黒人の男の子はダンザのクラスが上級者向けでないのに、自分がそこのクラスに入れられた事が気に食わない。みんなが難しかったというテストも「10分で簡単に終わった」という秀才。彼は逆にお婆ちゃんを学校に呼んで、ダンザにもっと上級者向けのクラスにして欲しいとお婆ちゃんから説得させる。と、生徒個々の問題に加えて、その行った小テストもダンザが勝手にやったので違法だと怒られる。またテスト中に分からない事があると、その学校なのかフィラデルフィアの公立がそうなのか分からないが、リサーチルームに行って調べてもいいらしい。それをダンザは小テストで許さなかったので、それも問題に。

マニュアル通りにやる先生とそれに慣れている生徒達が、トニー・ダンザという俳優の異端児先生に戸惑っているのが面白い。時々、ダンザが日本の金八先生にも見える熱血漢なのが面白い。第3者からしてみたら、トニー・ダンザが非常に的を得ている時も多々にあって、「だから公立は良くならないんだよねー」と思ってみたり、そして随分と自分達の頃とは違って生徒が「権利」で守られてるなーとか思ってみたりした。今の子供達が見えてきますね。でも私もそうだったわー。10代の頃は勉強なんてしたなくなかったもん。今の方が勉強したいし。

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