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ブラックムービー、ブラックスプロイテーションなどについて

Nollywood Babylon / 日本未公開 (2008) 747本目

注目を集めるナイジェリアの映画産業についてのドキュメンタリーの第2弾目。以前の「Welcome to Nollywood / 日本未公開 (2007)」を見た時にもこの映画はもう既に出来ていたのですが、ようやくDVDにて先日発売。やっと見れた!

という訳で、以前の「Welcome to Nollywood」の時にはナイジェリアの映画事情という事自体が初体験だった為「へーそうなんだー」が目白押しでしたが、今回は2回目なので「なるほどね!」が沢山ありました。別にこの二つの作品は繋がっている訳でも同じ制作者でもないのですが、「Welcome to Nollywood」が初心者用なら、こちらは割りともっと内容を深く掘り下げた作品。でも同じなのはあるナイジェリアの映画製作者を追っている所。前の作品は全く別のタイプの映画製作者2人を追ってましたが、こちらはランセロット・オドゥワ・イマスン(Lancelot Oduwa Imasuen)という1人の監督を追います。このランセロットも前の2人とは全く違うタイプ。どちらかと言うと前の作品に出演していたチコ・イジロ(Chico Ejiro)と同じく、前作分の収益金を次回作に使って作っている自主制作のベテラン監督。でも以前の2人は何となく映画作りがギスギスしていたのに対して、このランセロットの映画作りは明るい。映画製作に始まる時にみんなで歌を歌い、ランセロットが聖書を朗読、そしてお祈りをしてから撮影を始める。撮影中もクルー達は和気藹々。クルー達は「ハリウッドに黒人の映画は作れないわ!黒人の制作者が居ないじゃない!ノリウッドこそ本物の黒人映画よ!」なんて言ってます。ランセロット監督は飴と鞭の使い方が上手いんですよね。厳しい時は厳しい。でも何かあっても「That's all right!(いいよ)」と前向き。

このランセロットと同時にノリウッドの映画の歴史にも触れています。1959年にナイジェリアに訪れたのがあのチャールストン・ヘストン。その時の話をしていた男性は、「ヘストンは俺達に『こんな大きな国なのに映画産業が無いなんて不憫に思う』って言ったんだ。だから俺は叫んだんだ。『おい白人野郎、もう二度と戻ってくるなよ。俺が映画を作ってやる!』ってね」。でも実際にナイジェリアの映画産業が大きく発展するのは、30年後の1990年に入ってから。1980年代に経済の悪化を迎えたナイジェリアは、それと同時に治安が悪化。国内にあった映画館も治安悪化と経済悪化で営業出来ず。そこに登場したのが治安が悪化していても家で見れるビデオ「Living in Bondage」。というのは以前にもあり分かってました。でも今回はその「Living in Bondage」をも詳しく取り上げてましたね。前々から空前の大ヒットとなったオカルト映画と聞いてました。その気になる内容が明らかになってました。どうやら若い男が必死に働くも、どうにもなららずに、お金が儲かる儀式によって...という内容で、1980年代からの経済悪化に虐げられてきた一般市民がこの映画に感情移入するのは簡単な事だったらしい。そういう事で、現在のナイジェリア映画にも沢山のこの手のお金持ちや幸せになれる儀式や魔術を扱った作品が多い。そして今回新たに取り上げられていたのが、今のブラックハリウッドと同じく教会を取り上げている作品も多いという事。なんでもヘレン・ウカパバイオ(Helen Ukpabio)はナイジェリアで78箇所もの教会を持つ女性で、映画の制作にも関わっているとの事。なんとニューヨークタイムスも彼女を記事にしている。

そしてこのランセロット監督の撮影最終日もやはり歌で〆ます。ノリウッドの明るさを見ましたね。もっと海外から買い付けがくるようになれば(近隣のアフリカ諸国には既に人気あり)、もっと凄い事になりそうですね。上に紹介したような映画以外にももっともっと映画の内容も豊富。それこそブラックハリウッドよりも豊富かも。35歳のベテラン小人コンビの人気俳優も居るんだよー。急速に伸びてる感じは受けました。ランセロットもこの映画の終わりでは158作目の制作に取り掛かってましたが、すでに2年経っている今では378作目位でしょうか?

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(5点満点:DVDにて鑑賞)