何だろう。90年代思い出しちゃった。90年代と言っても「New Jack City / ニュー・ジャック・シティ (1991)」とか「Sugar Hill / シュガー・ヒル (1994)」とかの95年位までで、ウェズリー・スナイプスが主演でニューヨークが舞台で硬派なギャングストーリーね。何か久々にあの頃の骨太な映画を見た気にさせられました。監督のアントワン・ファクアは「Training Day / トレーニング デイ (2001)」では、ロサンジェルスの腐敗刑事を描いてましたね。今回はその逆。ニューヨークはブルックリンの3人の警官を描いてます。ブルックリンと言えば、やっぱりブラウンストーンの屋上ね→
この映画で触れたいのは、脚本家のマイケル・C・マーティンについてですね。彼はこの作品がデビュー作。MTA(ニューヨークの交通局)の電車運賃所で働いていたりしたけれど、車が壊れて、新しい車を買うお金もなく...たまたま見かけた脚本コンテストの記事を見て、書いたのがこの作品。そのコンテストで優勝したのがきっかけです。一度のチャレンジで優勝って凄い。この映画の面白さは、3人の警官が絡む所ですね。そこまでの物語の持って行きかたが飽きさせません。それぞれの目的で最後は同じ場所に向かうのです。その場面で一番短絡的な理由でその場所に向かったイーサン・ホークが演じる警官がプロジェクトに入っていく時に掛かっている曲がバスタ・ライムスの「Where's My Money」。ピッタリでゾクゾクしました。そういう使い方も90年代的ね。
でも何と言ってもドン・チードルとウェズリー・スナイプスの絡みが最高。ドン・チードルがスナイプスに向かって「ストリートにも期限ってもんがあるんだ」と言ってギャングを引退させようとするシーンが最高。これまた鳥肌のゾクゾクでした。
あと監督とは「トレーニング デイ (2001)」から親交があって一緒に「Bastards of the Party / 日本未公開 (2005)」も作った元ブラッズのクレ・スローアンも出演。LAのモノホンがブルックリンの悪を演じてました。演技は相変わらず下手でしたが、凄みは本物です。怖い怖い。
ラストは劇場公開版と、後他に2種類存在していて、それのどれも中々です。劇場では見られませんが、DVDになった時にお楽しみください。いずれにしてもラストは想像出来ない物語です。後、タイトルで堂々とブルックリンと言ってるのに、スタジオ側はデトロイトでの撮影を押していたみたい。監督がそれには「ふざけるな!」とブルックリンで撮影をして地元の高校生4人に映画撮影用のカメラを寄付してます。後監督の妻のレイラ・ロションも一瞬出てますのでお見逃しなく!
「Armored / アーマード 武装地帯 (2009)」はこんな映画を本当は作りたかったんだと思う。マット・ディロンとイーサン・ホークが何となく似てるのです。こういう役はいつもはマット・ディロンがしてるよねって思いました。イーサンがこれまたいい演技してるのですわ。
私の90年代の思い出がどうしてもこの映画を好きにさせてしまいます... そして見終えた後はどうもアリシア・キーズとジェイZの「Empire State of Mind」のにゅーよーく、にゅーよーーーくの部分を口ずさんでしまいます。
(4.75点/5点満点中:DVDにて鑑賞)