ケン・フォーリー様がお通りですよ。
タイトルで大体分かると思うのですが、2002にワシントンDC周辺で起きた狙撃連続殺人事件の映画です。この事件、とっても印象的で忘れる事が出来ないんです。つい最近...今年だったか去年だったか忘れましたが、終身刑で刑務所にいる実際に銃を持って殺人をしていたリー・マルボ本人が被害となった人や家族に手紙を書いたというニュースも目にしました。彼はケン・フォーリーが演じたジョン・アレン・ムハンマドにより洗脳されて殺人を繰り返した。ジャマイカ生まれのリー・マルボはジョン・アレン・ムハンマドと親しくなった母がいたが、その母もなぜかリーを一人残して、アメリカに渡ってしまったりとして、小さいのに独り者。その彼の心の溝に入り込んだのが、ジョン・アレン・ムハンマド。リーはずっと「友達はジョン一人だと語っていたらしい」。ジョンは軍で銃の使い方を取得。最初はナショナル・リザーブという週末だけの軍人だったが、後に陸軍に入る。その陸軍に入る前にネイション・オブ・イスラムに入信。名前もムハンマドに変える。軍歴が評価されて、ルイス・ファラカーンの警備なども担当。あの「ミリオン・マン・マーチ」でも警備を担当していたらしい。しかし、軍にいる時に湾岸戦争に従事。そしてそこから帰ってきてから、急激に性格も変わったという。
と、この事件を追うと中々興味深いのですが... 映画ではそこまで追ってくれる訳じゃありません。ただ、ジョンが湾岸戦争に行って帰ってきてから性格変わって、行く前に受けたワクチン接種の後遺症が性格が変わった原因だとしていた。
まあ、この映画の見所は、ケン・フォーリーがそのジョン・アレン・ムハンマドを演じたこと。ホラー映画ファンには、もう彼の説明なんて要らないですよね。私よりも詳しい筈です。もう彼が台詞を言う度に変な空気が広がり(この映画ではいい意味で)怖いんです。リーが銃で人を殺した後の間に、ジョンが決まってやっていた事みたいのがあって、その時の間は本当に異様な雰囲気。その雰囲気の作り方が、ケン・フォーリーは絶品。リー・マルボの素朴な感じもいいです。
でも全体的にチープな感じ。何となくアメリカのチープなポルノ映画みたいなカメラの映り方。この映画のあらすじを全て台詞に頼っている所も残念な点でしたね。でも、ケン・フォーリー演じるジョンが「子供は殺したくないんだ」という台詞を言うのですが、それは本当にジョンが言った事なのか、それともケン・フォーリーが「ゾンビ」で子供ゾンビを撃っていたからなのか... 分かる人が居たら教えて欲しい。
(3.5点/5点満点中:DVDにて鑑賞)