SOUL * BLACK MOVIE * ブラックムービー

ブラックムービー、ブラックスプロイテーションなどについて

2 Turntables and a Microphone / 日本未公開 (2008) 658本目

2002年に惜しくも亡くなったジャム・マスター・ジェイのドキュメンタリーです。Phonzで知られているジャム・マスター・ジェイ(以下JMJ)の従弟ステフォン・ワットフォードが出演し製作した作品です。これが思った以上に面白い。JMJのDJとしての軌跡を追っていくのかと思っていたら、それだけじゃなかった。警察すらもまだ掴めていないJMJ殺人の犯人像にも迫っております。ウィキとは全然違う見解。ウィキで書いてある人は逆に全然出てこないです。JMJ周辺の人々は誰が犯人だか分かっている感じですね。

JMJは人々に愛された人でしたね。ここに出演している人たちの錚々たる顔ぶれがそれを物語っております。Whodiniのメンバーなんて未だに泣いてしまってます。マイク・タイソンや政治家のベン・チャべスまで出てきてます。中でも興味深い発言を幾つもしていたのが、「Yo! MTV Raps」の司会をしていたエド・ラバーですね。彼もランDMCと同じクイーンズのホリス出身なので「クイーンズのホリス出身のラッパーだなんて恥ずかしかったんだよ。いつもブルックリンだったからね。でもそれをランDMCが変えたんだ。」と話してました。またそのランDMCをカッコよくしたのがJMJ。エド・ラバーは「JMJはランDMCにB-Boyを加えたんだ」と語っております。今となってはランDMCの顔ともなったあの黒い帽子はJMJの提案。今回、従弟はJMJが通っていた帽子屋さん「Arnold Hatters」にも尋ねている。面白いのが、いまや有名なお店となった店内には他に訪れる常連のジェイミー・フォックス等の有名人の帽子のサイズなどが書いてありました。でも今そのお店のオフィシャルサイトを見ていたら、残念ながら不景気により店じまいしてしまったようです。そういう馴染みのお店にもインタビューしているので、JMJの普段の人柄が垣間見られます。床屋さんは話していて笑いすぎてしまって、JMJのヒゲを誤ってそり落としてしまうも、笑って許してくれたそう。私だったら怒ってしまいそう。面白かったのがJMJの幼馴染みんなが、一般人なのにラップネームを持ってる。いい年なのにね。

そしてビジネスマンとしての顔も追っています。スタジオにはいつも最後まで残って作業していたそうで、所属していたレーベルの社長も「JMJはタレントスカウトとかレーベルの社長向きだったね」と語っている。50セントを見出した力は凄かったですよね。このドキュメンタリーはその50セントとJMJレコードに所属していたOnyxのフレドロ・スター等が製作者として加わって手助けしてます。まあそういう所を見ても、いい兄貴分だった事が分かりますよね。弟分が成功して兄貴に恩返しです。

しかしランDMCと日本は切っても切れない仲ですね。ここでもライブの映像はなぜか東京で行った昔の映像が流れました。DMCバイオグラフィーを読んだ時にも思いましたが、彼らにとって日本で成功したというのが相当にインパクトあったみたいですね。世界で成功したという時に必ず彼らは「Japan」を入れてくれてますもの。でもその来日にした時に久保田利伸のラジオ番組にゲストで出てものすごい態度悪かったんだよね。ちょうどその頃ビートたけしオールナイトニッポン(久保田の番組はその前か前の前)を聞いていたので、良く覚えてますわ。ランDCMが帰った後に久保田が「帰って良かった」とか言ってた。あんな雰囲気のラジオも無かったので、かなり昔なのに未だに忘れられません。

何というか、このドキュメンタリーはJMJのドキュメンタリーであると共に、従弟Phonzのジャーニーのようなドキュメンタリーでもあります。大好きな従兄ジェイソンの軌跡を追う旅。先日も書きましたが、ここでも「The Truth Set You Free(真実が貴方を自由にさせる)」と言う言葉が出てきます。JMJの幼馴染のお母さんが言った言葉。犯人が未だに捕まらないなんて、まだまだJMJも自由にはなってないのかな... 早く自由にさせてあげて欲しい。

そしてもう一人の従兄弟だったか幼馴染だったかちょっと忘れたけど、彼が言った一言も忘れられません。「VH1もMTVもジェイの事なんか何も知らないんだ」。

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(4.75点/5点満点中:DVDにて鑑賞)