ディズニー初の黒人プリンセスが主役の映画!
となると気になりますよねー、やっぱり。そのキャラクターの声が「Dreamgirls / ドリームガールズ (2006)」のアニカ・ノニ・ローズと聞いて喜んだ。アニカ・ノニ・ローズは好きなタイプの女優さん。綺麗だけど、それなりに努力してここまで来た感じが芯の強さを感じさせてくれます。でもそれよりもなによりも...やっぱりあのディズニーがどう黒人の主役を描いていくのか...楽しみだったんですよねー。残念ながらこの題材となったヤングアダルト向けの「カエルになったお姫様」という原作は読んだ事がなかったので、全くどんな物語になるのか分からず余計に楽しみ。
んーー、でもそうか!やっぱりそうか!御伽噺にも似た「ど根性」お姫様が主役。シンデレラと同じですな。貧しくても心は曇らず心優しい素敵なお嬢さん。しかも努力家。こりゃ、もうその時点で世界の乙女達の心を一気に掴んでしまいますよ。でもシンデレラと違うのは、王子様かなー。まーー、この物語の王子様が不甲斐ない事。またこの王子を更生させるのが主役。そこまで主役に努力させなきゃ駄目??お金はないけど愛があれば...というのはこの今のご時勢には丁度いいのかしら??複雑だわ、何だか。まあ、でも日本はともかくアメリカの乙女達がこの映画を見て「私も頑張ろう!」とは思わないだろうね...残念ながら。アメリカの女の子たちはどちらかというともう一人のシャルロット的で、頑張るけれど....頑張り方が違っていて、頑張ってお金持ちの男性見つけよう!っていう方ですからね。でも主役のティアラは愛されるでしょうね。本当に可愛い。完璧。アニカ・ノニ・ローズがイメージ的にもぴったり。声もあの渋い声のキース・デイビッドとか、ジェニファー・ルイスとかすごく雰囲気がそのままで最高。マジでキース・デイビッドの声は泣きそうになる位怖い。ホタルのレイやワニのルイスとかの脇役キャラも愛くるしい。これまたニューオリンズを舞台にしただけあって、その土地を感じる脇役キャラがいいです。レイとか泣けてくる。私が10歳以下だったら泣いてたと思う。舞台は第1次世界大戦前とその後。その当時のニューオリンズジャズを意識した音楽も沢山使われていて、アニメの絵もその当時風になったりと面白いですね。あ、ニューオリンズだけあって、ガンボもこの物語の要となっております。でもガンボにタバスコ入れる?家はカイエンペッパーだわ。タバスコだと酸味がきつそう。肝心のガンボがあんまり美味しそうじゃなかったわ。そこがポイントだったのかも。私とは舌が違う映画。でもニューオリンズを舞台にしたのは正解。歴史や豊かな文化が詰まっていて、最高の雰囲気でした。
でもまあここまで黒人がメインキャラクターとなるアニメを作ってこなかっただけあって、ディズニーの理解の無さみたいもの出たかな?とも思います。上に書いたようにナヴィーン王子の設定もあれれ?だし、その割りには声には白人男性を使い、割と声だけはディズニーの伝統的な王子様ぽい感じ。でもこの王子が本当にどうしようもない!悪い意味でも楽天的で、女性に目が無い。マルドニアという架空の国から来たクレオールの王子らしいが、どうも黒人男性の悪いステレオタイプを持ちいれられた気がした。ティアナも本当に愛くるしいキャラクターで、こちらはいい意味で前向きなのだけど...なんであそこまで献身的?あれでは姿こそ違えど、マミーのイメージ。ステレオタイプと言えば、悪役の「シャドーマン」も巻きヒゲにトップハットでガリガリなのもそうですね。ブードゥーも何だか悪い物と良い物になっちゃってるし。他にも一杯あるけれど...子供には分かりやすく悪役を作ってあげないと駄目だから、仕方ないのかもしれないのかな。私の場合はドナルド・ボーグル氏の「Toms, Coons, Mulattoes, Mammies and Bucks」という本を読んだり、スパイク・リーの「Bamboozled / 日本未公開 (2000)」を見ていたりするので、どうも素直にこの映画と接する事は出来ないのです。
でも久々の本格正統派アニメですね。3Dとかもないので、目が疲れなくていい。じっくりと話を堪能出来る。でもその話がって感じですが、ディズニーの本格派とも取れますね。でも昔のディズニーでの黒人描写に比べたら数百倍も進歩はしてます。うーん、でもアメリカでのディズニー初黒人プリンセス誕生よりも、黒人初の大統領誕生の方が早かったとは!!
感想やあらすじはこちら。
(4点/5点満点中:劇場にて鑑賞)