Cast >> Wyatt Cenac (Micah), Tracey Heggins ('Jo) ...
Director >> Barry Jenkins
Writer >> Barry Jenkins
Producer >> Justin Barber
Genre >> Romance
総合ポイント >> 4.25/5点満点
Contents >> 5 Performance >> 4 Direct >> 4 Music >> 4
Tasty Medicine for Melancholic Moviegoer
マイカ(ワイアット・セナック)はパーティを終えた朝に名前も知らない女性(トレイシー・へギンス)が隣で寝ていた。会話もなくその場を離れようとする女性に名前を聞くと「アンジェラ」と答えた。マイカはコーヒーに誘い、アンジェラは仕方なく付き合う。その帰りのタクシーを相乗りしたが、アンジェラが財布を落としてしまう。財布の中の免許書には「ジョアン」とその女性の名前が記載されていた。マイカは財布を届けようと、ジョアンを探すが...
監督のインタビューによれば、撮影前にチャールズ・バーネットの「Killer of Sheep (1977)」を見たそうである。その撮影方法にストレートに影響を受けているのが容易に分かる。完全なモノクロでもないが、極力色を抑えたセピアともまた違う印象的な色使い。そのオープニングの感じだけでこの映画がどんな映画か大体の想像がつく。芸術肌の青年が作ったメランコリックなラブストーリーだ。バーネットと一緒で町の雑音も物語や主人公を知れる形で上手く取り込んでいる。
主人公の2人は黒人だが、2人には歴史がある。個人を大事にしている女性、そして人種に拘る男性。2人は衝突しながらお互いを知っていく。「ワンナイト・スタンド(一夜限りの関係)」を終えた男と女の微妙な空気が、非常に現実的。女性の心が変わっていく様も、現実的。そしてラストも... ラストを迎えた朝の映像は、現実的にオールカラーなのも印象的だ。このメランコリックな主人公の男は一夜の恋を永遠の恋へと発展させる事は出来るのか...
この言葉少なめの慎ましいこの映画は、芸術肌でメランコリックな映画ファンを満足させる事と思う。ただ無理にサンフランシスコの問題点を入れたのが、映画のポイントが散乱しているように感じてしまった。
(11/11/09:DVDにて鑑賞)