The Freshest Kids: A History of the B-Boy / 日本未公開 (2002) (TV) 632本目
この前「しゃべくり007」のスペシャルを観ていたんですよ。そしたらレギュラー対ダ・パンプのダンス対決をやってました。バラエティ番組なので、もちろんそのダンス対決にはオチがあって面白かった。でも良く見ると原田泰造のダンスは完璧なロッキングだった。原田泰造はダンスやっていた過去は無いだろうし(ダンスの質からも無いと断言出来る)、ヒップホップ好きだという話も聞いた事がない(同じレギュラーの有田哲平はそうだけど)。なのであの場所でアリペイがあのロッキングをやっていたら「なるほどね」と思ったんだろうけど、ヒップホップとは全く無縁であろう原田泰造が披露していたので「うぉー」と唸りました。日本人の私達でも身近なんだなって。
そんな身近となったブレイクダンス。ブレイクダンスが生まれた時に遡っても、まだ30年とちょっと(私はヒップホップと同じ年!いぇい!)。なので生まれた頃に現役で踊っていた人達もまだ10代そこそこそなので、今は40代そこそこと現役でもまだまだ踊れる程なんですよね。そのまだまだ現役ブレイクダンス...というかBボーイの歴史を創設者達と振り返るという贅沢なドキュメンタリー。制作したのが、ブラックミュージック界の御大クインシー・ジョーンズの息子で映画製作に積極的なクインシー・ジョーンズ3世こと、QD3です。彼自身も親の離婚等で母方の母国であるスウェーデンに住んだりしてスウェーデンでブレイクダンスを広めたりした人。人脈が広いんでしょうね。今回も本当にコアな人達から話を聞いてます。ブレイクダンスの生まれた瞬間を観ていた創設者の中心人物である有名DJのクール・ハークやアフリカ・バンバータがその瞬間を語っております。もうそれだけでお腹一杯になる程。アフリカ・バンバータが語る「Bボーイとは?」。意外と本人達はあっさりとしているのが興味深いですね。この映画は言わば、「ヒップホップ初めて物語」なのです。ブレイクダンスと言われるものを初めて踊っただろう人達も出てきます。
そして... ブレイクダンスには欠かせない「ロックステディクルー(以下RSC)」のクレイジー・レッグスが制作に関わり、彼等に関する貴重な映像もふんだんに使われております。故に若干RSC寄りではありますが、面白いエピソード等が内容濃く聞けるので良しとしましょう。細かいダンス技術等についてよりも、やっぱり映画好きなので「Flashdance / フラッシュダンス (1983)」での裏話が面白かったです。撮影当時はRSCのメンバーには話しかけもしないし見向きもしなかったジェニファー・ビールスが、試写会でRSCの評判がいい事を知り、報道人向けの撮影会ではジェニファーの方から話しかけてきたとか。ジェニファー・ビールス、感じ悪!って感じですね。
またこの映画はいい時期に作られましたね。今は亡き(涙)フロスティー・フリーズとか俳優ともしても知られる元ザ・ロッカーズのフレッド・ベリーもインタビューに答えてます。フレッド・ベリーは赤いベレー帽が彼のスタイル。かなりのおデブさんなのですが、先に書いたようにロサンジェルスの有名なダンスチームのザ・ロッカーズに所属してました。ザ・ロッカーズは「Breakin' / ブレイクダンス (1984)」のアドルフォ・キノーネスも所属。フレッド・ベリーは人気TVシットコムの「What's Happening!!」のレギュラーでした。番組でももちろん赤いベレー帽を被ってます。このドキュメンタリーでは赤くはないですがベレー帽をかぶってます。「What's Happening!!」は、「Cooley High / 日本未公開 (1975)」で有名になった脚本家のエリック・モンテが制作した番組。第2弾も制作されて、マーティン・ローレンス等も出てました。
とまあ、ここまで書くと勘のいい人、または本当にダンスを知っている人はご存知だとは思うのですが...ニューヨークで生まれたブレイクダンスが映画やテレビ等の露出でアメリカ全土に広がっていき、世界に飛んでいきました。その時に飛びついたのが、もう一つの都市であるロサンジェルス。そこでは先に書いたザ・ロッカーズがロッキングを生んだり、そしてポッピング、ティッキング、ヒッティング等がロサンジェルスで生まれたというのも含んであるのが上手かったですね。
泣かせるのが最後の「Flashdance / フラッシュダンス (1983)」を意識したオマージュというか... リメイクというかのダンス。カッコ良かった!
やっぱりヒップホップのオールドスクールを見ると熱くなってしまいます。タメだもんね。私とヒップホップは気兼ねなく心打ち解けられる物なんだわ。
感想やあらすじはこちら。
(4.25点/5点満点中:DVDにて鑑賞)