The Taking of Pelham 123 / サブウェイ123 激突 (2009)
Cast >> Denzel Washington (Lieutenant Zachary Garber), John Travolta (Ryder), Luis Guzman (Ramos), Victor Gojcaj (Bashkim), Gbenga Akinnagbe (Wallace), John Turturro, James Gandolfini ...
Director >> Tony Scott
Writer >> John Godey (novel), Brian Helgeland
Producer >> Tony Scott, Todd Black, Steve Tisch
総合ポイント >> 4/5点満点
Contents >> 4 Performance >> 4 Direct >> 4 Music >> 4
Normal guy, Hero, Anti-Hero, then Denzel...
ニューヨークを網羅する地下鉄。午後1時23分ぺラムから、いつもと変わらず乗客を乗せて発車した。30分程を過ぎた時、指令室で働いているガーバー(デンゼル・ワシントン)が異常に気づいた。すぐに無線で問いかけるが応答がない。暫く経った頃に、ライダー(ジョン・トラボルタ)と名乗る男が、1000万ドルを要求してきた。ガーバーとライダー、2人の人生が地下で交差していく...
物語は何度もリメイクされているだけあって、在り来たりなクライムサスペンススリラーだ。そんな中、トニー・スコット監督は今を象徴するようなカメラワークと凝った演出にジェイZのラップにポスト911を役者達の存在感ある演技に取り入れて、トニー・スコットの世界を作り出している。男の筋肉を前面に出したマッチョイズムとも違う、男くさい世界。女性が周りに居ないのもあって、卑劣な言葉が当たり前のように飛び交う世界。そんな男社会の中で、普通の男ガーバーが男の悲哀を見せ、それ故にヒーロー、いやアンチヒーローへと変身していく面白さ。上司に「お前なんか関係ない、もう帰れ!」と言われた時の男の顔と背中は非常に寂しい。過去の過ちを責められた時の緊迫した表情に、妻からの愛を感じる牛乳。これはオリジナルが白人の警官だった物語とはニュアンスが違ってくるように思えた。緊迫したカーチェイスの場面で、ガーバーが車を借りる時に「ごめんよ、ごめんよ」という台詞はやはり普通の男を表していたようだ。デンゼル・ワシントンに俳優がスクリーンで出来る、役を作り出していく情熱を感じる。
最初に書いた通り、普通なクライムサスペンススリラーだ。この手のスピードを追い求める演出も確かにもうお腹一杯感もある。でもそんな所にですら、様々な顔を見せつつデンゼル・ワシントンという俳優色を出してくる辺りに面白さを感じる。
(8/4/09:劇場にて鑑賞)