Cast >> Forest Whitaker (Narrator)
Director >> Stacy Peralta
Writer >> Stacy Peralta
Producer >> Stacy Peralta, Baron Davis, Quincy Jones III
Genre >> Documentary
総合ポイント >> 5/5点満点
Contents >> 5 Performance >> N/A Direct >> 5 Music >> 5
I didn't chose my destiny, My destination chose me...
アメリカの大都市であり夢の町でもあるロサンジェルスを2分する「クリップス」と「ブラッズ」というギャングを追うと共にロサンジェルスの歴史を振り返る。
冒頭のフォレスト・ウィッテカーのナレーションが語る「ハリウッドやオレンジカウンティというカリフォルニアドリームに囲まれた一角...」...それが幾度も映画やラップの舞台となったサウスセントラルだ。ロサンジェルス市民の生活の一部であるハイウェイ110(南は高級住宅街のパーロスバーデス近く北はハリウッド)に405(ロングビーチからサンタモニカ)に105(LAXから東へ)というLAドリームに囲まれた一角にある。その一角でブロック毎に細かく分かれているのが、「クリップス」と「ブラッズ」だ。この2つのギャングについては、もう説明も不要な程に映画やラップ等に登場している。この映画の映像や音楽も全て他の映画に比べても緊張感に包まれていて、しかも生々しい。冷酷で残虐なエピソードは「クリップス」の色である青を想像するに容易い。「ブラッズ」の色である大量の赤い血で埋め尽くされた写真や映像の数々は、先進国アメリカの物とは思えない形相だ。実際にLAの子供達のPTSDは戦争が行われているイラクのバグダッドの子供達と同じ割合であるという興味深い統計も交えている。それらの歴史を3人の男性を通して彼等のストーリーとして振り返っているのが、観客には分かりやすくて伝わりやすい。
この映画は残酷さを伝えるだけでなくて、今、そして未来を伝えているのも素晴らしい。特典映像でリル・ウェインが語っていた事。「きっとギャングは無くならない。でも何かいいものに変化は出来るんじゃないかなって思う」。この映画を見ると、そんな風に思えてくるのだ。
(6/10/09:DVDにて鑑賞)