私好みな作品でした。元々はニューヨークでの舞台劇。オビー賞やトニー賞まで受賞している作品です。この作品はテレビ放映用にテレビ映画化された作品です。舞台を撮影したのも違います。この舞台の成功で注目されたヌトザケ・シャンゲのポエムと劇の合体した作品です。思うのですが、黒人女性(もちろん全員じゃなくて一部の大多数かもしれませんが)の多くが、詩が好きだと思うんです。この前もミシェル・オバマ大統領夫人が、ホワイトハウスで初となる詩の朗読会を開催する(した?)とかいうニュースもありましたよね。ポエトリーリーディングをオシャレに流行らせたのも彼女達だったし。その詩と劇との融合が本当に素晴らしかった。台詞が詩なので、とってもパワフル。短い言葉の中に感情が詰まっております。舞台は6人の名も無き黒人女性達。劇では色で区別されていたみたいですが、このテレビ映画はあんまり色には拘ってなかったようです。もうベテランとなった「Crooklyn / クルックリン (1994)」のアルフレ・ウッダードや「The Josephine Baker Story / 裸の女王/ジョセフィン・ベイカー・ストーリー (1991)」のリン・ホイットフィールドの2人が主役の一人を演じています。2人共にイキイキしてます。でも舞台版でトニー賞を受賞したトラザナ・ビバリーがこちらにも出演していて、やっぱり素晴らしかった。彼女の物語は目を引くのもあって、グイっと引き込まれます。その彼女の相手役でどーしようもない男を演じていたのがチャールズ・ウェルドン。彼は現在ニグロアンサンブル劇団で芸術的監督をしていて、この作品の監督をしていたオズ・スコットも同劇団の芸術的助監督をしているみたいです。チャールズ・ウェルドンの演じたボーという男性がこれまたどーしよもない!最低男なんです。物凄く上手いんです。だからこそ物語に引き込まれていきますね。
何となく思い出したのが「Waiting to Exhale / ため息つかせて (1995)」という作品です。それぞれの女性が出会った男性との違いにより、それぞれの道を歩んでいく様が何となく似てますね。でもこちらの方がより芸術的で、「ため息...」はより現実的でした。島倉千代子の歌じゃないですが、「人生色々、女も色々」な訳です。色々度がこちらの作品はよりハッキリしているように思いました。でもやっぱり女の人生は男によって左右されてしまうのも事実なのです。となると、逆にそれを見極める自分の選択力もかなり重要な訳なんですよね。そんな深くて難しい事が「Joy be in yourself」という短い台詞に凝縮されていたりして...詩もこれまた深いです。でもその一言一言がパワフルなメッセージでもあります。
ところでこの作品、こんどまた映画化される事に決まっております。詳しくは下で。映画化だけでなく、インディア.アリー主演でウーピー・ゴールドバーグが製作という豪華な顔ぶれでブロードウェイでのリバイバルも決定していたのですが、こちらは不景気により延期になっているみたいです。インディア.アリーとはイメージぴったり。他にも色んな劇団で上演されている愛されている作品です。
感想はこちら。
(4.5点/5点満点中:DVDにて鑑賞)