私が今一番期待している若手コメディアンのジャスパー・レッド君が映画デビューした作品です。彼の場合デビューと言っても、超インディとかでは映画は出ていたんですけどね。彼の面白さについては全然心配してなかったんですが、演技については子供の学芸会を初めてみる親の気持ちで見てしまいました。思っていた以上に上手くて良かった。彼は映画に出る事は興味ないので出ないかも?と以前から言っていたので、映画に出てくれて本当に良かったと思います。というのも、アメリカでコメディアンになっても活躍の場が日本のコメディアン(松ちゃん結婚おめでとう)程無いんです。テレビのバラエティ番組なんて皆無で、あっても「サタデー・ナイト・ライブ」とか「Mad TV」とかだし、リアリティ番組は下火の芸能人が出る印象。「笑っていいとも!」みたいなコメディアンに優しい番組が無い。アメリカのコメディアンが「成功した」と思われる図式が、ジェイ・レノやコナン・オブライエンのように「トゥナイト・ショー」とか「レイトナイト・ショー」とかのトークショーの司会者に抜擢されるか、エディ・マーフィやマーティン・ローレンスのようにブロックバスター映画での大ヒット、または地道に年とってからラスベガスでヘッドライナーになるか... の3つ位です。映画で成功する以外は、日本のコメディアンの方が華やかな気がします。なので、彼の気持ちが映画に向いて良かったと思います。映画なら遠く離れた国でも見れるし、いつでも見れるし。
という訳で「Frankenhood」です。とは言え映画自体は、ブロックバスター映画という訳でもなく、本当なら去年のハロウィン頃に劇場公開される筈でしたが、DVD発売のみ。でも面白かったですよ。主役は「Barbershop / バーバーショップ (2002)」シリーズで、アイス・キューブの床屋さんに色んな物を売りに来ていたディレイ・デイビスです。彼もスタンダップコメディ出身。「Code Name: The Cleaner / ジェイク・アイデンティティー (2007)」とかでも結構出演していましたね。彼の異母(異父?)の弟がリュダクリスのDisturbing Tha Peaceに居たステフ・ジョーンズ。似てないですよね。その親友役でジャスパー・レッドが出ています。クレジットはディレイに続いて2番目。この2人が映画の中で色々とやらかします。後は「シャペル・ショー」で再ブレイクしたエディ・マーフィの弟のチャーリー・マーフィがマッドサイエンティストを演じていたり、ボブ・サップはフランケインシュタインです。もうこの2人の設定で笑ってしまいます。チャーリー・マーフィが意外とハマリ役。ジャイアンのような万年いじめっ子キャラのチャーリー・マーフィが子供相手にやられてしまったり、怪しいマッドサイエンティストぶりがハチャメチャで面白かった。ボブ・サップのフランケインシュタインは彼が出演していた「The Longest Yard / ロンゲスト・ヤード (2005)」のキャラクターの延長戦みたいな感じでした。というか、日本人でダウンタウンファン(松ちゃん結婚おめでとう)なので、どうしてもボブ・サップを見るとなまはげだったっけ?で、松本人志を追いかけていたあの姿を思い出してしまいます。ガキでの7変化も面白かったけど。ボブ・サップ使いは松本人志が世界で一番上手いと思うけれど、アメリカではあれが精一杯でしょうね。
最近のインディコメディって、ウェイアンズの良い意味で毒のあった「Scary Movie / 最終絶叫計画 (2000)」の骨組みだけを真似したつまらない毒だけの勘違いパロディ映画が多かったように思うんですが、この映画は毒の一切ないほんわかとした優しい映画です。ハロウィンに公開するつもりだった割には、ホラーでもSFでも一切なく、優しいコメディです。ディレイ・デイビスがいい感じです。私が好きだという気持ちが入ってしまっているのは否めませんが、でも悪い映画じゃないです。でもジャスパーが女好きという役はキャラに無かったかな?でも彼とエンジェル・コーンウェルのバーのシーンは可愛いので必見。あれはイメージ通りで嬉しかった。
ジャスパーに映画について聞いた所、ボブ・サップは撮影中に「日本で超人気だ」と共演者達に言っていたそうです。有名ではあるけれど、人気???しかしボブ・サップは、松ちゃんといい、ジャスパーといい、クリス・ロックやアダム・サンドラーと言う私が好きなコメディアンと悉く共演している羨ましい人だわ。
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(4点/5点満点中:DVDにてボブはげを思い出しながら鑑賞)