ウィスコンシン州で製作された珍しいインディペンデント映画です。これが中々面白かった。在り来たりなグローイングアップ(成長期)映画ではあるけれど、最後の最後が痛快というか面白くてチャーミング。あははーと思わず笑ってしまう最後でした。子供をいつまでも舐めるなよって感じですかね?
子供もごくごく普通の12歳。お母さんもごくごく普通のお母さん。自分の母でもある糖尿病を患ったおばあちゃんの面倒を見ているんだけど、このおばあちゃんがこれまた... 糖尿病なのに甘いものを食べたがる。本人は我慢してるから大変。でもお母さんというか娘は、良くなって欲しいから厳しく管理。そしてこの12歳の主人公の事でも対立。おばあちゃんは甘やかすけれど、母親は自分の子供だから厳しい。おばあちゃんも娘には自分の子供だから厳しく言っていて笑った。お母さんも妊娠中なので、板ばさみでイライラ。どこの家庭も同じですわよね。お父さんは夜勤なのか、朝の2時半に帰ってくる仕事をしている。厳しい時は厳しく、優しい時は優しいというメリハリのある立派な育て方をしている人。息子が喜んでいるけれど、きちんと現実を伝えるのも父の役目。そういう家族の描写が好きでした。そして...家族には必ず一人はいるであろう、どうにもならないオジサン。このオジサンの存在が主人公の12歳のエリックを変えていきます。このオジサン、本当にどうしようもない!でも子供達はそういうオジサンの姿も見て、大人になっていくんですよね。
映画はその糖尿病のおばあちゃんの薬を買いに行くという単純なストーリーなのですが、先が気になる面白い作りでした。子供の無邪気さと意外な頭の良さと見えたりする。大人だったら絶対にやらないようなことを平気でしちゃうんですよね。でも意外と頭をちゃんと使っていたりするんだけど、結局間違いおこしてしまったり。いずれにしても、子供は良い意味でも悪い意味でも大人からの影響を強く受けているなと感じました。
監督も俳優も無名なインディペンデンスですが、B級的な感じはしない。正統派のインディ映画です。
この映画でおばあちゃんが食べたがっていたレモンヘッドというお菓子、アメリカでは昔からある有名なお菓子。そういえばうちの夫も「キャンディと言ったらレモンヘッドでしょ!」的な事を以前に言っていたのを思い出した。
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(4.25点/5点満点中:DVDにて鑑賞)