やっと今年最初となる映画を見ました。でも何を見るか優柔不断で決められず、年始の目出度い感じで酔っ払い気味の夫に4枚のDVDを渡して「私の1年の始めに相応しい映画をこの中から選んで」と選んでもらったのがこの映画です。夫曰く「リチャード・プライヤーのは面白くない訳がない!普通にこれ面白いよ」という事でした。他3枚は内緒ですが、実は他3枚は良く見ている映画なのでこれで良かったと思います。
と言う訳でリチャード・プライヤーが主演のコメディ映画です。共演にはコメディ映画は意外な感じがするドラマ畑のシシリー・タイソン。本当にあんまりコメディ映画には出演していません。今回は特別。というか、この映画での経験がコメディから遠ざけちゃったかもしれません... 撮影中に主役のリチャード・プライヤーがコカインのやりすぎで自ら火を起こして自殺しようとしました。なので、この映画では明らかにシーンによってプライヤーが違う所とかあります。映画自体も、何か間延びしている所があったりするのもそのせいだと思います。でもそれだけの事がありながら、よく製作が無事に済んだものです。流れちゃう時が多いのに。こんな事が起きた時なのに、なぜか映画の中では火事を起こしたがる少年が出てきたりします。もうそういう所がさすがに伝説的なコメディアンのリチャード・プライヤーを感じさせます。これの後のロサンジェルスでのサンセット・ストリートのライブのラストもそういえば自分の起こした火事ネタで最高だった。自虐的。
この映画で特記する点と言えば...音楽ですよね。ロバータ・フラックが全面的にコンポーズしてます。80年代だなーと思わせる軽快に跳ねる彼女らしい曲。リチャード・プライヤーと言えば80年代。お互いがぴったり合った感じ。私はダニー・ハザウェイ好きなんで彼との曲を聴く時はロバータの部分を口ずさんでダニーとバーチャルデュエットしてます。あと、若いポール・ムーニーが出てましたね。でもブラックムービー好きとしては、本当に特記したい部分はウィリアム・グリーブスがエクゼクティブプロデュースをしている点。1940年代には俳優として活躍して、その後にカナダに渡って監督となった人。ドキュメンタリー映画を主に撮ってますが、この作品はアメリカ作品でコメディと珍しいです。この映画の制作会社がリチャード・プライヤーの会社だったのもあるんでしょうね。だから上に書いたようにプライヤーが自殺行為までしたのに無事に製作されたんでしょうね。
プライヤーらしいコメディ。面白いだけじゃなくって、何かを伝えようとしている。でも自虐的。
(4.5点/5点満点中:DVDにて鑑賞)