DJスプーキーによる「The Birth of a Nation / 國民の創生 (1915)」のリミックス。
映画のリミックスって?って疑問に思いますか?これが見れば分かるんですが、リミックスなんです。「國民の創生」の映像を使いつつ、DJスプーキーの解釈で別の作品に出来上がってます。枠組みは一緒。でも出来上がりは全然違います。本当にリミックスなんですよ。
「國民の創生」は映画ファンなら知っている超大作です。しかし黒人にとってはこの映画で描かれた黒人の姿がステレオタイプとなって、今でも苦しめられています。「國民の創生」で描かれた黒人像は、野蛮で怠け者で下品でだらしない人々。しかし主人公の家に居る乳母などは、白人の主人公に献身的。思いつく黒人のステレオタイプがこの映画には全て詰まっていると言ってもいい過ぎではないと思う。そしてクー・クラックス・クランのような団体が、英雄として描かれている。まるで彼等が再建時代の南部を救ったかのようです。再建時代には、南部に黒人の政治家たちも存在したが、その彼等の姿も酷い描かれようです。
このような映画をDJスプーキーはナレーションと音楽を入れ替えて、映像にちょっと細工を加えながら、全く別の映画として生まれ変わってます。そしてDJスプーキーはメディアの持っている力(パワー)と、そのパワーの恐ろしさも表現しようとしてます。
でもそのDJスプーキーの表現方法は、DWグリフィスのような押し付けではありません。本当の黒人の姿とは如何に?考えさせてくれてます。
感想はこちら。
(4.75点/5点満点中:DVDにて鑑賞)