SOUL * BLACK MOVIE * ブラックムービー

ブラックムービー、ブラックスプロイテーションなどについて

Miracle at St. Anna / 日本未公開 (2008) 66本目

はいはい、散々言いましたよ。見たくないだの長いだの... 中々行けなかった私の強がりだったと思って許してください。
いや確かに見る前までは半信半疑でした。なぜか評判が良くなかったからね。でも確かにスパイク・リーの言う通りクリント・イーストウッドに噛み付いたからバックラッシュを受けたのかもしれないですね。確かに長い映画でしたが、スパイク・リーの映画にしては中々バランスの良い素晴らしい映画だったと私は思います。かの有名なアメリカの映画評論家のロジャー・エバートだけは数々のこの映画への酷評の中「確かに詰め込み過ぎだけれど、足りないよりはいい。勇壮だ」と好感触の批評を残している。私は逆に詰め込み過ぎな所が気に入りました。2時間40分、全ての伏線がラスト5分に見事に花開きます。物凄くスッキリする感動する爆発的なラストです。思わず劇場で「うぉー」と唸ってしまいます。スパイク・リーもこんなに一直線に感動できる映画を作るんだなーと思いました。そういえば、帰って来てからはこの映画を見てない夫にやたらとあの彫刻は何だったの?と聞かれました。多分気になったのでしょう。その説明をしている間に色々と映画を思い出していて、また「うぉー、深いぜ!」と思いました。
所で、何で見に行ったかというと、マイケル・イーリーが気になったからです。ここでの彼の役柄も複雑。元々はキリスト教を信じて説教までしていた人物。それが戦争でかなりやさぐれてます。その信じて居た物に不信感を持ちながらも葛藤している感じが巧みです。女性にわざと辛くそしてエロく当たったりするんですが、その複雑な葛藤が見えるから、なぜか危険な感じがしてセクシーなんです。あのマイケル・イーリーのラブシーンで2時間位見ていたかった位。って、それじゃエロビデオか?でもまあスパイクは、女性は相変わらず性に開放的だと思ってる感じかな?難しい事を抜きにして、今回の場合はマイケル・イーリーが相手だったら私だって...
デレク・ルークの役は元々ウェズリー・スナイプスの為にスパイクが用意した役。残念ながらデレク・ルークにはスナイプスみたいな堂々とした上司ぽい風格は無かったけれど、マイケル・イーリーと恋敵になった時にイーリーとは違う甘い感じが良かったですかね。ジャイアント・チョコレートマン事、オマー・ベンソン・ミラーは役にピッタリでしたね。あの体格から溢れる優しさがありました。「グリーンマイル」のマイケル・クラーク・ダンカンを思わせるような感じ。ベストキャスティングです。心通わせる男の子が「ジャイアント・チョコレートマンだ!」とぺロっと舐めるシーンは心奪われます。と、スパイク・リーの映画でこんなに心温まるシーンがあるなんてね。その子役もかなりの芸達者。

映画に単純な答えを求める人にはこの映画の2時間40分は苦痛かもしれません。色々な物が複雑で多岐に詰まってますので。

まあでもスパイク・リーの映画を見に行くという事は、スパイクの説教を聞きに行くようなもの。今までのスパイクの説教はガミガミと一方的に怒られている感じがしてましたが、今回の説教は最後に泣いてしまうほどの感動的なものでした。でも点数は1点引いた。やっぱり削れるシーンもあったと思うから。ジョン・レグイザモ好きだけど、彼のシーン要らないでしょ... ジョン・タトゥーロの場面ももうちょっと削れた気がするし。

感想はこちら

(4.75点/5点満点中:劇場にて鑑賞)