Sugar Valentine / 日本未公開 (2004) 59本目
騙されました。私が利用しているレンタルDVDのサイトでは、Gabriel Casseus (ガブリエル・カシアス)が主役なの?という感じで、出演者に名前が1番最初にあったので早速借りてみたのに...
友情出演じゃないですか!監督のジャン=クロード・ラ・マレーとは「Brothers in Arms / デスペラード・イン・ウエスト (2005)」で共演しているからだと思います。多分1分も出てないです。出てこないという訳じゃないですけどね。嘘じゃないですね、私の勘違いかもしれません。それはグレン・プラマーも同じ。グレン・プラマーはDVDジャケにも顔が登場してます。多分5分も出てないです。こういうインディペンデンス作品には良くある手に騙されてしまいました。
騙されると言えば、ピンプね。いい意味でも悪い意味でも。騙してナンボ。そんなピンプの世界を描いた作品。このタイトルにもなったシュガー・バレンタインという人は、ロサンジェルスに実際に存在したピンプだそうだ。後に作家になって大成したアイスバーグ・スリムとか、スヌープに絡んでいた緑男ドン・マジック・ファンとかみたいな有名人じゃないですけどね。お父さんもピンプで、生まれながらにしてピンプだったシュガー・バレンタイン。2世ピンプは、なぜかピンプ業に見切りを付けて辞めようかと考えている程、テンション低いです。しかも、時代背景からして多分シュガー・バレンタインが活躍していたのは70年代だと思うのですが、そんなのお構いなし。現代として話が進んでいます。それが逆に残念かな??どうせなら70年代の設定にして、これでもどうだ!的な70年代のピンプファッションでも楽しみたかったです。
政治家の娘が家出して売春婦に...という展開は面白さを予感させたんですよね。私が大好きで今でも鮮明に覚えているテレビ映画「大都会の青春」というのがありまして、その映画を彷彿させる(大都会の..の主人公は普通の女の子でしたが)展開を期待したのです。そのテレビ映画も70年代の作品なので、70年代らしい生々しさがあったんですよね。この映画には、そういう生々しさが無かった。主人公のピンプという職業(職業か?)に対して既に夢を失っていて、作家になるという事に完全に向かってますから。これが、作家になりたいという割りには台詞とかもつまらないんですよね。何か見たものだけが全てで、スクリーンを通して伝えようという意思が感じられなかった。俳優も台詞読んでるだけって感じなんです。でも、カソーズだけは違いますよ。彼の演技は確かに1分も無いですが、短い出番の中に彼の置かれた状況を一生懸命に伝えようとしている演技なんです。でも他の人はただ台詞を読んでるだけ。これは贔屓目じゃないです。見て頂けると一目瞭然だと思うのですが...
この映画で面白いのが、最後に本物のシュガー・バレンタインが出演している部分。彼の今の姿というのが、この映画を象徴しているのかな?手がかさかさで、涙ながらに語る姿は切ないです。その部分を撮影した1週間後に彼は亡くなったそうです。普通では経験出来ないこういう話を共有してくれた事に感謝。
感想はこちら。
(3点/5点満点中:DVDにて鑑賞)