追悼バーニー・マック
バーニー・マックとアイザック・ヘイズの両氏が出演しているこれから公開予定の「Soul Men / ソウルメン (2008)」が公開中止の危機となったと言う。偶然とは言え同じ時期に正確にはたった48時間以内に2人も出演者が亡くなり、観客がその事実に耐えられないのでは?という理由だった。確かに悲しい。でもこういう芸術家達の素晴らしい所は、またいつでもスクリーンなどを介した作品で会えるという事。確かに実際に2人に関わっていた人々には、彼らとの思い出を呼びおこされ辛いかもしれない。でもファンにとっては、彼らが残してくれた物を大事にしたいと思う。
という訳で、バーニー・マックが残してくれた物の一つ「The Players Club / ザ・プレイヤーズ (1998)」を見た。アイス・キューブが初監督を務めた作品。残念ながらアイス・キューブはこの作品が今のところは最初で最後の監督業となっている。確かに監督としての未熟さみたいのは、この作品で露になってしまっている。が... やっぱり脚本家としてのアイス・キューブは大したもの。ストーリーが中々面白い。タイトルからの想像通り、ストリップクラブの裏側を描いた作品。同じ女性として、ストリップというのは何となく引っかかっていたのだけど、アイス・キューブの女性の描き方は中々のもの。女性を一括りでなく、個々の個性のある女性たちを描いてくれている。だから「女はこういうもの」みたいな雰囲気もなくて心地よい。
後さすがアイス・キューブだなと思わせてくれたのがキャスティング。ジェイミー・フォックスとテレンス・ハワードという後のオスカー受賞者・候補者が2人も出演している。ジェイミー・フォックスの役が好き。テレンス・ハワードが悪役の手下ナンバー2。ナンバー1が、エディ・マーフィの兄チャーリー・マーフィ。「CB4」でも悪役。今となっては「あの」テレンス・ハワードがナンバー2。そういえば、この頃は悪役ばかりやってましたよね。アイス・キューブの映画からはいつもスターが誕生する。人を見る目があるのかもしれない。そしてバーニー・マックがストリップ・クラブのオーナー。ケチでちょっぴりエロいのでバーニーお得意かもしれないです。そういえば、この映画でアデル・ギブンスと共演していたんだ。
アイス・キューブらしなと思ったのが、「Good Times」という超有名なTVドラマでお父さんを演じていたジョン・エイモスが警官役で出てくるんだけど、「Good Timesのお父さんにそっくりだね」という台詞がある所。ジョン・エイモスが面倒くさい顔で「うるせぇ」みたいに言う。後は、ベテランのストリッパーが白人の警官に向かって「これはロドニー・キングの分よ!」とイニシアティブを取る場面。
それにしてもこの映画で主役を演じたリサレイは、この映画の印象が強いのかもしれない。昨日書いた離婚の話の時でも、この映画の役名というかストリッパー名のダイアモンドと書かれている事が多かった。タークス・カイコス諸島のファーストレディーですからね、びっくりです。もうすぐ離婚でファーストレディーじゃなくなってしまいますが... 何か実生活もこの映画と重ねてしまいます。
点数は私にしては低めかもしれないですが、好きな作品です。
(4点/5点満点中:DVDにてバーニーを思いながら鑑賞)