リチャード・プライヤーが実在したNASCARのレーサーであるウェンデル・スコットを演じた作品です。リチャード・プライヤーにしては真面目かな?とも思うんですが、所々にプライヤーらしいお茶目な部分があったりして、堅苦しくない面白い作品です。
ウェンデル・スコットは黒人にして初めてNASCARの最高峰グランドナショナルで優勝しました。グランドナショナルは今はスプリントカップとなっています。このウェンデル・スコットという人の人生も一筋縄ではいかない数奇な運命というか... 元々は生活の為に密造酒の運び人をしていたらしいです。実際にも。その辺のエピソードが、映画の中でドラマチックに面白く描かれていると思います。
丁度良いですわ。前々からいつか書きたいと思っていたのですが、最近なのですがNASCARにてテクニカルインスペクターとして働いていた黒人女性のモーリシア・グラントという女性が人種・性別差別、そしてセクシャルハラスメントをNASCARから受けたという事で225ミリオンの賠償金を求めているんです。最初は何だかなーと思っていたのですが、本人がESPNのインタビューを受けているのを聞いて、信憑性がある話だなって感じました。男の世界ゆえに、性的嫌がらせのジョークが飛び交っていた。またNASCARは家族伝統的な部分もあり、上に訴えても逆に彼女の方が不利になるとの事。丁度、その前にNASCARの特集みたいのを見ていて、とある元レーサーのコメンテーターが自慢げに「あそこの家族は代々レーサーで続いているからね」なんていうのを聞いたばかりだったので、彼女の発言にはハッとしました。彼女の詳しい話はこちら。NASCARという夢のような場所で働けるようになって、彼女も凄い期待していたと思うんですよね。夢も膨らんでいたと思うんです。
このウェンデル・スコットも公民権運動が始まる前からレーサーとして活動してきて、数々の差別に直面している。1位になったのにも関わらず、1位としてアナウンスされなかったり...(これは劇中でも描かれていて、本当の事らしい)、同じレーサー仲間からわざと車にぶつけられて命が危ない時もあったり、または直球で差別的な言葉を投げかけられたり... やっぱりそこは彼の実力と結果で有無を言わせない方向に持っていったんですよね。この映画が製作された時にはウェンデル・スコットが健在で、映画にも車の技術と内容のコンサルタントとして参加しています。
所でこの映画をきっかにリチャード・プライヤーとパム・グリアが付き合いだしたのです。映画の中でのキスシーンやらラブシーンやら... やたらと本気にイチャついているように思えます。パム・グリアとリチャード・プライヤーはバランス取れてない気がしていたんです。パムの方が背が高いようにも思えたし。でもこの映画を見ると、意外とお似合いだったんだなーと思いました。リチャプラがパムとの一緒のシーンは、やたらとカッコ良く見えるんですよ。結婚式のシーンとかは、パム姉さんも本気で嬉しかったんじゃないかな?って女心を少し読んでしまいました。可愛いんだー、これが。キックやパンチに銃も無く、男に尽くすという役もそれまでにはそんなに無かったしね。
曲もすばらしいです。この映画の私のお気に入りキャラであるメカニックのウッドローを演じていたリッチー・ヘブンスが歌っているんです。この歌が映画ではナレーション的な役割を果たしているというか... 南部や当時を見事に表している曲です。もう1人のお気に入りはピーウィーです。私、ずっとベン・ヴァーレンかな?と思ってみていたのですが、「ブレージングサドル」のクリーボン・リトルでした。でもやっぱり舞台役者なんですね。声の質とかがそんな感じしました。
監督は「Cooley High / 日本未公開 (1975)」のマイケル・シュルツ、脚本にはメルヴィン・ヴァン・ピープルスの名前があるっていうんだから、面白くてとーぜんです!
感想はこちら。
(4.75点/5点満点中:VHSにて鑑賞)