The Girl from Chicago / 日本未公開 (1932)
Cast >> Grace Smith (The Chicago Girl), Carl Mahon (Alonso White), Eunice Brooks (Mary Austin), Starr Calloway (Norma Shepard), John Everett (Jeff Ballinger), Juano Hernandez (Gomez) ...
Director >> Oscar Micheaux
Writer >> Oscar Micheaux
Producer >> Oscar Micheaux
総合ポイント >> 4.25/5点満点
Contents >> 4 Performance >> 4 Direct >> 4 Music >> 5
Brief of the Harlem Renaissance era
アロンゾ・ホワイトはシークレットエージェントだった。ヨーロッパから船でアメリカに戻る時い、ミシシッピでの仕事を命じられた。メアリー・オースティン(ユニース・ブルックス)の下宿でノーマ(スター・キャロウェイ)と出会い恋に落ちた。ノーマを追いかける男からノーマを救ったアロンゾは、ノーマと2人でハーレムに向かうことにした...
オスカー・ミショーの作品の中でもエンターテイメント性に富んでいながらも、非常に取っ付き難い映画である。より現代風とも言おうか... 舞台がハーレムに移った時点で、ナイトクラブでの歌やタップや女性達の踊り、さらにはナンバー賭博等の当時の世相を反映したシーンが非常に多くなる。しかも、ナンバー賭博というギャンブルの中毒性を扱っていたりと、オスカー・ミショーらしい社会派な部分も見られる。さらにはミシシッピのシーンでは、大きな家にピアノがあったりと、当時の南部の中産家庭を垣間見られる。だがしかし、大恐慌の足跡(ミショーの映画も大恐慌の影響を受けたと言われている)からか、それとも単なるフィルムの保存状態の悪さからか、いつになく雑な作りであるのが非常に残念でもある。主人公の顔が半分しか映っていなかったり、裏方の人の話し声が入っていたりする。ミショーの「Within Out Gates」や「Body and Soul」でもそのような雑さは無かった。
それでも、オスカー・ミショーもハーレムルネッサンスの「ニュー・ニグロ」に影響を受けた形で主人公をシークレットエージェントにしたり、南部で才能ある女性が歌手を目指したり、さらにはグレート・マイグレーションと言われる黒人の南部から北部への移動をテーマにしたりと、さすがオスカー・ミショーと言わす社会派な部分を残している。だがミショー本人は娯楽性を追及しているのが面白い所だろう。
(6/4/08:DVDにて鑑賞)