Mr. and Mrs. Loving / 日本未公開 (1996) (TV) 12本目
実在したこの映画の主人公であるミルドレッド・ラビングが亡くなった事を以前に記事に書いた。2人は愛し合い結婚した。夫は白人で、妻が黒人だったという理由で法が彼らを刑務所行きにした。妻のミルドレッドは18歳で妊娠中だった。
本物のミルドレッド・ラビングは、この映画を見て「映画が真実を伝えているのは、我々に3人の子供が居るという事実だけ」と語っている。映画と事実には相当のギャップがあった事と思う。もっと事実は悲惨だったのかもしれない。いや、逆にそんなにドラマチックじゃなかったのかもしれない。今となっては分からない。でも、インターレイシャル(異人種間)カップルなら誰でも遭遇するだろう状況は上手い事描かれていたとも思う。私も異人種の異国の人と結婚している。この映画の主人公のようにお互いの人種関係の悲しい歴史的な過去はないけれど、歴史的には国と国として争った事はあり...やっぱりそれなりの経験はした。うちの夫と同じ人種の女性には冷たくされた事もあるし、嫌味も言われた事もある。でも逆に夫とその女性が同じ人種だという理由で、私に優しくフレンドリーに接してくれる女性も居る。人はそれぞれであって意見もそれぞれだという事を学ばせてもらった。なぜか夫と同じ人種の男性はあんまりその辺を気にしてない中立な人たちが多い。それは私と同じ人種で同性の女性も同じ。逆に私と同じ人種の男性は、私に「なんでわざわざ外国人なんかと」という風に言ってくる嫌味な男性やら、冷たい態度の男性も居た。不思議ですよね。ミルドレッドと結婚した白人のリチャードも同じような状況に遭遇している。黒人の病院でジロジロ見られて、苛立ちを感じている。私たちも日本でもアメリカでもしょっちゅうジロジロ見られる。もう慣れましたけど、見世物じゃないですから、やっぱりジロジロされるとイライラする。そこで見せたリチャードの反応が笑ってしまいます。
でも、これが逆に白人女性と黒人男性だったら、これまたもうちょっと風向きが強かったかも??
確かに映画用にたっぷりと味付けされている感じは受けましたが、それが悪い方へと向かってなかったとは思うんですよね。確かに在り来たりな所とかもありましたけどね。十分に感動するし、ロマンチックになっていたし、お互いがお互いの個性を大事にしていたのも十分に伝わるし。
所で、リチャード・ラビングを演じたのが、ティモシー・ハットン。多分、映画によって私を一番泣かせた男である。Allcinemaの解説読んでいたら、最近は下火みたいな事が書かれていて悲しくなってきた。ティモシー・ハットンの「ロングウェイ・ホーム」と「普通の人々」は本当に泣けるのよ。私なんて「ロングウェイ・ホーム」って聞いただけで涙出てくるんだから... いや、今題名を2回も書いていて涙出てきた。「メイド・イン・ヘブン」はかなりのロマンチック映画よ。死に別れた2人が、生き返ってまためぐり合うなんていう、少女マンガ顔負けな物語なんですから...
レイラ・ラションが共演。可愛いんですよね。声とかも。純粋な感じがしたし。
ラビングっていう名前も素敵。愛ですよ、愛。やっぱり愛。彼らの名前を取って「ラビング・デイ」というインターレイシャルカップルの日があるらしいです。非公式らしいですけど...
感想はこちら。
(4.5点/5点満点中:DVDにて鑑賞)