Sidewalk Stories / サイドウォーク・ストーリー (1989) 11本目
うほほー。
この作品はもう見れないと諦めていたんですよねー。今現在アメリカでもメディア販売されておらず... でも日本で以前に公開はされているんですが、その頃高校生なので見てませんでした。
もつべきものは、映画仲間... 私のサイトを見てメールをくださったあほ犬さんが、最近中古で見つけたとの事でおすそ分けして頂きました。本当にありがとうございます。それ以外にも貴重な資料を沢山分けてくださいました。ちゃんと今後のサイトの更新に役立てさせて頂きます。やっぱり映画仲間と交流出来るのは本当に楽しくて、至上のひと時であります。本当だったら押しかけて映画を肴に朝まで語りたくなります... あほ犬さんがブラックムービー愛好会を作るそうですよん。早速入会したいと思うのであります。
この映画をどうしてそんなに見たかったかというと... 1980年代の後半は、若手の黒人監督が花開いた時代でした。1986年にはスパイク・リーの「She's Gotta Have It / シーズ・ガッタ・ハヴ・イット (1986)」、1987年にはロバート・タウンゼントとキーネン・アイボリー・ウェイアンズの「Hollywood Shuffle / ハリウッド夢工場/オスカーを狙え!! (1987)」、そして1989年にはチャールズ・レインのこの「サイドウォーク・ストーリー」、1990年にハドリン兄弟の「ハウス・パーティ」等... 今日の黒人監督の活躍の礎の一つとなった作品なのです。でも、なぜかこの作品だけ中々メディアにならずに... またチャールズ・レインもこの作品とメジャー作品の「True Identity」を残してハリウッドを去っています。いや、俳優としてはマリオ・ヴァン・ピープルスの「黒豹のバラード」に出演しています。最近は、俳優としても出演する事がないのを見ると、ハリウッドには見切りをつけちゃったのかもしれない。まあ、飽くまでも私の想像なんですけどね。レインは10代でカメラを買ってもらってから、映画に夢中になったチャップリン等が好きな映画オタク。そのままニューヨークの有名な映画学科のあるパーチェス大で映画を勉強していた人。
作品は解説を読めば大体分かると思います。チャップリンの「キッド」の現代版。今でもまだまだ通用する物語でもあり、それが余計に切なくなる。浮浪者にとって、時代なんて通用しない。確かにシェルターは増えてはいるのだろうけど、その数だけじゃ追いつかない。根本的な仕事の数とか仕事への意欲とかいう部分が全然改善されていない。主人公は似顔絵書き。ライバルの絵描きと、縄張り争いなどもある。ギスギスと生活している間に起こった心温まる子供との交流。子供を一生懸命世話している姿が熱くなる。そのやり方とかには切なさや理解出来ない部分(万引き)もあるのだけど... チュチュを着させて踊るシーンがチャーミング。モノクロ...しかもサイレントで撮影された映画。アート系でもかなり受けた作品だと思います。女性の部屋の中にさりげない「Free South Africa」というメッセージが入ったポスターがあったりします。こういうのはオシー・デイビスとかスパイク・リーを思い出しますよね。また、サイレントの使い方が絶妙なんですよ。この辺は感想で。
感想はこちら。
(5点満点:DVDにて鑑賞)