この前の「A Good Man Is Hard to Find」があまりにも「うーーん」な映画だった。何かもっと違うのが見たい!と思っていた時に目に付いた作品。久々に見た。その「A Good Man...」に似た3人の恋愛ドラマなのだけど、こちらは男性が主役。断然にこの「Love Songs」の方が面白いんです。というのも、脚本家がチャールズ・フュラーで、物語もだけど台詞も聞きごたえがある。彼は劇作家で「ソルジャー・ストーリー」という舞台を成功させて、映画化も成功させている。映画化の時にはアドルフ・シーザーがオスカーにノミネートされている。若いデンゼル・ワシントンが悪役という程でもないのだけど、珍しく悪い役を演じている作品でもあります。またこの作品にも出演・監督しているロバート・タウンゼントが脇役で出演している作品でもある。
主役を演じるのがルイ・ゴセット・ジュニアにロバート・タウンゼント、アンドレ・ブラウハーの3人でオムニバス形式です。しかもその3人が主役じゃないセグメントで、監督をしている面白い形式です。まず最初がロバート・タウンゼント主演の「A Love Song for Champ」。これは、ルイ・ゴセット・ジュニアが監督を担当。次にアンドレ・ブラウハーとリン・ホイットフィールドが主演の「A Love Song for Jean and Ellis」。これは、ロバート・タウンゼントが監督。最後にルイ・ゴセット・ジュニアの「A Love Song for Dad」。アンドレ・ブラウハーが監督した。主役の3人がそれぞれに色々な所ですれ違ってたりします。3人3様の生き方やドラマがある。それはもちろん当たり前の事なんだけど、それが上手くひとつの映画としてまとまっています。役者としての色、そして監督としての色みたいなのがそれぞれあるのだけど、それもちゃんと綺麗にまとまっています。
やっぱり大人なんですよね。ワガママになっている部分があんまりない。夢に向かうばかりに1人で一生懸命になっているワガママとか、相手を思うばかりに突っ走ってしまうワガママであって、大人のくせに可愛げのあるワガママは多少ある。許せるワガママと、許せないワガママがあって、この映画では許せるワガママなんだと思う。一人で頑張ってしまって、反省しちゃったり。そういう所が逆に魅力的だったり、大人的だったり... 本当の大人の男って、こういう風に説教くさくないもんですよね。
今日5月27日は、ルイ・ゴセット・ジュニアの72歳のお誕生日だそうです。昨今○○差結婚とか流行ってるみたいですが... ルイ・ゴセット・ジュニアだったら、全然OKですわ。
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(4.75点/5点満点中:DVDにて鑑賞)