ずっと見たいと思っていたドキュメンタリー作品です。限定公開だったので、映画館には見に行けませんでした。残念ながら受賞は逃しましたが、去年のオスカーのドキュメンタリー部門でノミネートされました。東京国際映画祭でも公開されたようですよ。
久々に綺麗な涙を流させて頂きました。本当に美しい!このドキュメンタリーで映る90%が美しい。10%は残虐な映像だったりするのです。ウガンダでの内戦と、ウガンダの少年少女の青春が描かれています。この作品の主役となる3人の少年少女が物凄く可愛らしい。日本やアメリカで生意気な13歳や14歳を目の当たりにしているせいか、ウガンダのこの子達が随分と可愛く見える。日本やアメリカ等の割りと豊かな国の子達は、大人に見せようと背伸びして化粧や服装で誤魔化すけれど、ウガンダのこの子供達は精神的に既に大人な為、顔つきも大人。逆に子供で居たいのに子供では居られない状況。その子供達がウガンダの学校の一大行事である全国音楽大会に出場するのです。ここで優勝する事が名誉であり、将来も期待できる。この3人の住んでいるのが、北部の小さな田舎町。アチョリ族が住んでいるのだけど、反政府武装集団に狙われている。彼らは子供達を拉致して、小さいうちから彼らの手下として訓練させられ、男の子は人を殺す訓練、女の子は労働や性的に搾取されるのだ。もちろんこの3人も標的になる可能性もあるので、政府軍が見回りをしているキャンプで生活している。その彼らの心の支えになっているのがこの大会。中でも木琴担当のドミニクが14歳にして多くの経験をしている。その彼がボロボロになった手製の木琴を、自分で直している姿に心打たれた。でももう14歳にして大人だから、「僕はウガンダで一番上手い木琴叩きなんだ!」なんて言うんですよ。日本の新入社員よりもよっぽど野望に燃えているし、逞しい。そのドミニクが政府軍の基地(この基地はなんか変な緊張感があってスクリーンからも伝わる)に単身乗り込んで、兄弟の行方を訪ねるシーンが心打たれました。政府軍が最近捕まえたばかりの反政府軍のリーダー的存在との面談を快諾する(多分カメラがあったからだと思うけど)。その男にドミニクは訪ねる。「なんでそんな事するの?悪い事だって分かってるでしょ?」と。そこはさすがに14歳ならではの純粋な心が働くんでしょうね。号泣です。何かこの子供達を好きになっちゃうんですよ。オフィシャルサイトでは、あの子供達の今が載っている。それを読むと、やっぱり違うなーと思います。偉い。そして逞しい。
この映画、撮影技術も素晴らしく美しいです。
感想はこちら。
(5点満点:DVDにて鑑賞)