ショーン・ベルの事件については以前にちょこっと触れたのですが... その後に各方面に与えた衝撃も大きかった。
ラッパーで実業家でもあるジェイZは、ショーン・ベルの残された子供達の学校資金ために信託資金の設立を発表した。そしてショーン・ベルの残された婚約者二コール・ベル(今はベル姓を名乗っている)がジェイZのブランドであるロッカウエアの「I Will Not Lose」の広告キャンペーンにてモデルをしている。
他のラッパー達もコメントを残している。
アイス・キューブ「これはアメリカの司法システムが黒人の命を無価値だと見ている1つの例」
Chamillionaire「無実の丸腰の男性を50発以上撃って、過度の武力行使であることを知るのにロケット科学者を要さない。本来なら危険から我々を守る人々にどんなタイプの権限が与えられているのか知るのが怖い」
UGKのBun B「あの判決はあの事件と同じ位に悲劇だ」
またニューヨークではアル・シャープトンが率いてデモ活動が行われ、アル・シャープトンと婚約者の二コール・ベルが逮捕された。ミシガン州の議会議員で公民権運動家でもあるジョン・コンヤーズも事件現場に訪れて視察している。
確かにこの事件は一筋縄ではいかない。警官側は武器を持っているように見えたと主張している。おとり捜査みたいな事をしている所に、運悪くショーン・ベルは現れ、不運が重なったとも言える。
でもそれにしても31発も撃った警官には通常では理解出来ない部分がある。3人居た1人が31発、もう1人が11発、最後の1人は4発。1人の男性に対して1人の男が31発も撃つ...という心理は理解出来ない。彼の奥深い中に何かがあったと思ってしまう。
でも今一番怖いのが、アメリカには以前のようなハッキリした差別が存在していない。それは表面上のであって、差別はもちろん存在している。差別する側(全人種を含んで)の深層心理上で。そこまでは法もさすがに証拠という形で見出していくのは難しいだろう。
この前のフィラデルフィアでの警官による暴行と共に、黒人の警官に対する不信感は募る。この不信感は自分も同じ目に遭うのでは?という不安になり、この不安が続けばいずれはどこかで何かしらの形で爆発する事だってありうる。また政府はこのまま見過ごしていくのだろうか...