先日、バラク・オバマのフィラデルフィアでのスピーチについて書きました。
何回も書きますが、彼が一番言いたかった事は人種問題もあるけれど、それ以外にも問題は沢山あるという事。団結すれば、人種問題を含めて解決できるんだって事。
でもまあ、マスコミ各社、それに元々のアンチオバマを含めた人々が口を揃えて
「だから、ライト牧師の発言はどういう事なの?問題は人種差別じゃなくって、牧師の発言」と口を揃えて仰ってます。
私が思うに
「だ、か、らー!!ライト牧師世代は人種差別の酷かった公民権運動前の人々で、彼らの世代はそれが一番重要な部分を占めていた。彼ら200年以上の歴史は、それを苛々させている。苛々した一部の人々の正直な心の声。だからと言って、差別的な事を言っていいともオバマは思ってないし、そういう発言に関してはオバマも賛成していない。ただ、あの発言の裏にはアメリカある秘めた差別みたいのが見えた...だからこそ、オバマはあのスピーチの中でライト牧師のような人を含めて、全員で解決していきたいと述べた」と声を大にして言いたい。
まあ、そういう人たちとのギャップが、このアメリカという国が差別を無くせない原因だと思いますわ。牧師の発言の芯の部分を理解出来ない=人種差別を理解していない。というか、聞こうともしない人々。
何気に言ったオバマの一言「アメリカで一番人種で別れている時間が、日曜の朝」という言葉が、頭をループする。確かにそうだ。今まであまり気にしていなかった。いや、逆にそれでいいじゃん位に思っていた。まずそこからなのかもしれない。ライト牧師の発言の時に、黒人側からよく聞いた言葉。「黒人の教会では...」という言葉。確かに黒人側も、黒人の教会をスケープゴートにしていた部分があるかもしれない。いや「黒人の」っていう言葉を。黒人にしか分からないんだっていう意味が含まれた言葉。そうじゃなくって、「黒人の」を分かってもらえるように、オバマのように素直に話す所から始まるのかもしれない。あのスピーチでは、黒人や白人、私のようなアジア人、そしてヒスパニックにネイティブ、そしてアラブ人も... アメリカに潜む人種差別問題について、オバマの声を通じて理解できた筈だから。でもそれは多くであって、全員じゃない。アメリカだけでなくどこの国だって、国民を同じ意見にまとめるなんて事は出来ないですからね。仕方ない事です。でも、1人でも多くの人たちにそれが伝わればいいと思う。後今回の色々な人々の反応を見て思った事。もちろん1人1人の教育って大事だと思うけれど、まず大事なのが話しを聞くという姿勢。もちろん教育は人々の偏見を消していく大きな手がかかりになる。頭がいいから、オバマの話が分かるという事でもないとも思った。フォックスチャンネルの司会者、ショーン・ハニティだっていい大学に出ていい教育を受けていただろうと思うけど、やっぱり彼は聞く耳を持っていない。折角の教育を、逆に自分の殻を閉じ込める壁として使ってしまっている。
でも、口々に「あのスピーチはToo Black(黒人過ぎる)」だの、「問題は人種差別じゃない」だの...
でも逆に思うのが、オバマをあそこまで発言させるに至ったというのが、大きな問題。なんで、今、ああいう人種差別のスピーチをしなくちゃいけないの??って事ですよ。何もなかったら、スピーチする必要なんて全然ないのですから。人種差別が横行していようが、ジョン・マケインやヒラリー・クリントンという候補者達は、それを語る必要なんて全くない。でも、オバマはそれを語らないといけない。別に無視してないのだけど、黒人である事を語らないといけない。アメリカにいる黒人のブラックホールがそれ。
そういえば、オバマ支援者のMLで回ってきた写真。こんな小さい頃からこんな事が言えるなんて、やっぱりこの人の凄さを感じる。ちなみに「Barry」は小さい頃の使っていた愛称。