またテレンス・ハワードが共演している映画です。別にテレンス・ハワードをストーカーしている訳でもないんですけど。たまたま先週同時にDVDが発売されただけです。
こちらもテレンス・ハワードがキャスティングされたのは、彼の肌の色とは関係無さそうだ。別にマット・デイモンやベン・アフレックがテレンスの役をやった所で支障がない。もっと言えば、日本人の俳優だってありうる。ジョディ・フォスターとのバランスが取れるなら。またもやテレンス・ハワードという俳優の才能が買われたのだ。これは良い事。
何でだろうね?ランボーみたいな映画だったら、人があんなに殺されても深くは考えなくて済むのに、この映画だと考えてしまう。ランボーだったら映画だからと割り切れるのに。でも、それはランボーが現実からあまりにも離れすぎているから... というだけでも無さそうだ。こちらの映画は、ニューヨークのセントラルパークを恋人と散歩中に暴漢に襲われる。それは、もしかしたらあり得る。可能性としては、十分にあるのかもしれない。無いとは言えない。でもまたすぐにコンビニのようなお店でショッピング中に、夫婦喧嘩に遭遇して妻が殺される風景を目撃してしまう。これはあり得ないかな?とも思う。ランボーと同じとは言わないけれど、同じ線上にある映画だとは思う。でも、ランボーには後味の悪さは感じないのに、この映画にはなぜに後味の悪さを感じてしまうのか??ランボーは法を犯してないからかもしれない。この映画のジョディ・フォスターは正義かもしれないけれど、やはり法を犯しているから。確かに世の中は完璧じゃない。被害者がまた被害者になり報われない事が多すぎるのかもしれない。でもだからと言って、被害者が銃や暴力に頼って加害者の立場に立つのはとっても危険だ。さらには法を守る立場の警官がそれに加担しちゃうんだから、余計に後味悪い。確かにジョディ・フォスターの愛する者を失った悲壮感が、我々観客に情を呼び起こすが、それでもやっぱり後味悪い。彼女の気持ちは十分に分かる、そしてテレンス・ハワード演じた警官があっさりとジョディ・フォスターを情を受け入れるのも理解出来る。でも、やっぱりどこかスッキリ認める事が出来ない。犯罪者がヒーロー的な映画は幾つでもある。「Across 110th Street / 110番街交差点 (1972)」もそうだった。ポール・ベンジャミン演じる役には同情や応援をしてしまうのに、ジョディ・フォスター演じる役になぜに応援出来なかったか... やっぱり答えはラストシーンにあると思う。ポール・ベンジャミン演じた役は、自分の最後を最初から覚悟していて受け入れていたように思える。ジョディ・フォスター演じる役にはそれが無かったからかもしれない。
ランボーには確かにプロパガンダな匂いがする。国の為に戦うアメリカの英雄。ジョディ・フォスター演じた役は、パーソナルなレベルでの復讐。でも世の中を少しでも良くしたいと思っている。確かにそういう気持ちは同じアメリカの英雄なのかもしれない。
でも、ランボーは国とか関係なくフランスとイギリスの共作で「Son of Rambow (2007) - IMDb」というチャーミングな映画を生んでいる。この映画の予告がランボー上演前に流れたので大笑いしてしまった。この「ブレイブ ワン」ではそういう映画を作りたいとかいう感情とかは浮かばないと思う。
感想はこちら。
(3.75点/5点満点中:DVDにて鑑賞)