先日9月20日にCNNで放送された「Judgement in Jena」を見た。
色々とネットや噂などで情報が錯綜し、ソース毎に全く違っていたりで混乱していたのだが、どのように事件は起こったか、上手くまとめてくれていたように思える。
まず、ケネス・パーヴィスという学校に通う黒人の生徒が、学校の責任者に木の下に座っていいか確認した所、返ってきた答えが「You can sit anywhere you want(座りたい所どこにでも座っていい)」だった。パーヴィスは友達らと座った。
次の日、その木に何本かの縄がかけられていた。学校はその縄を掛けた3人(白人生徒)をつきとめ、退学処分にする。所が彼等の両親の訴えにより、1週間の停学に減刑。
その次の日、その減刑の決定に怒った黒人の生徒ら(パーヴィスも含む)が、また木の下に座った。叫ぶ等の行為はあったが、暴力行為などは全くなかった。
その後、あの木は切り倒されて跡しか残っていない。
パーティに入ろうとした黒人の高校生ロバート・ベイリーと22歳の白人のジャスティン・スローアンが、小競り合いになる。次の日、その2人は町にある店で遭遇し、ベイリーは友達2人と一緒だった所をスローアンはショットガンで脅すも、3人は格闘してスローアンからガンを奪う。スローアンに下った刑罰は、暴行行為で執行猶予だったが、3人はガンを盗んだ経歴がつく。
緊張感が高まる中、学校の敷地内で放火が起きる。犯人は捕まっていないが、町の白人は黒人が犯人と思い、逆に黒人は白人がやった事と思っている。
そして、その4日後の12月4日に6人の生徒が1人の白人生徒ジャスティン・バーカーの暴力を振るったという事で、逮捕される。バーカーが暴力受ける前に、何か差別的な発言をしていたかは、明らかになっていない。6人は、第2級の殺人未遂という罪に課せられ、学校を退学させれた。
6人の中でも一番最初の判決が下りた事で名前も知られているマイケル・ベルには、以前にも暴行の犯罪歴があり、被害者のバーカーの顔の傷には、ベルのスニーカーのDNAが残っていた事が、鑑定で分かった。ベルは16歳の未成年にも関わらず、大人として刑罰も扱われ20年の禁固刑の可能性もあった。
問題となった木に縄をつるした3人の生徒は、まだ未成年という事、以前にKKKのような団体にいた経歴などもないために、「ヘイトクライム」からは逃れる。
暴力の被害者となったジャスティン・バーカーも、学校にショットガンを持ち込み逮捕される。
そしてこれらの重要な事件の鍵を握っているのが、地区弁護士のリード・ウォルターという人。
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と、時間ごとに追っていくと、事件の全容が明らかになり、人も判断しやすいのでは?
暗黙の了解でハッキリした表示が無いにしろ「白人専用の木」が存在していた事は明らかで、やはりそこに差別があるのは明らかな事実。
物凄く緊迫していた状態というのも明らかではあるものの、6人の少年達が暴力という短絡的な行動に走ってしまったのも事実。
番組を見ていて、一番不思議に思ったのが、ジナの白人の住人の人々が口々に「ジナの町には差別なんて無いのよ。この事件で差別な町とレッテルを貼られて悲しい」みたいな事を言っていた。うーん、だったら何で「白人専用の木」なんて存在していたんでしょうか?問題はそこですよ。今まで黙って我慢してただけじゃないですかね?それすらに気づいてないなんて、よっぽど酷いじゃないですか?
やっぱりあの木に吊るされた縄っていうのが一連の事件を呼び起こしたように思えるんですよね。ケネス・パーヴィスとその仲間が座った時に、他の生徒がそれを受け入れていたら何も無かった訳ですし。町に「そういう」差別的な空気があったって事じゃないんですかね?
こんなに全米が注目したのに、同じルイジアナ州のアレクサンドリアという町でも事件が発生。アレクサンドリアから、ジナの町に行進に出かけるバスの横を、縄を吊るした1台の車が通った。リンクの写真を見てください。一目瞭然だと思います。
運転していた18歳の男性と同席していた16歳の男性が逮捕されました。16歳の子の胸にはKKKの刺青があり、彼の家族はKKKのメンバーである。
Two arrested in noose incident near Jena, Louisiana - CNN.com