Straight Out of Brooklyn / ストレート・アウト・オブ・ブルックリン (1991)
Cast >> Larry Gilliard Jr. (Dennis Brown), George T. Odom (Ray Brown), Ann D. Sanders (Frankie Brown), Barbara Sanon (Carolyn Brown), Reana E. Drummond (Shirley), Matty Rich (Larry), Mark Malone (Kevin) ...
Director >> Matty Rich
Writer >> Matty Rich
Producer >> Matty Rich
総合ポイント >> 5/5点満点
Contents >> 5 Performance >> 5 Direct >> 5 Music >> 5
Straight Out from the heart
高校生になるデニス(ラリー・ギラード・ジュニア)はブルックリンのプロジェクトのレッド・フックに住んでいた。父のレイ(ジョージ・O・オドム)は、ガソリンスタンドの仕事から帰ってくると酔って、母のフランキー(アン・D・サンダース)に暴力を振るっていた。そんな日々の中でデニスは大金を手に入れてブルックリンから出る事を夢見るが...
この映画を見る度に憤りのない怒りと切なさ、そして悲しみが迫ってくる。でもなぜか前向きな気持ちになれる。この映画への評価は、暴力的な部分...父親が母親をストレスのはけ口にして暴力を振るったり、プロジェクトで育った男性が銃を持ち強盗をして短絡的な結果になった事をリアリズムだと言う人が居る。私は、そういう部分よりも、彼女がデニスを一生懸命止めようとした事、そしてそういう計画をしているのに何も気づかない親達の存在の方にリアリズムを感じる。息子が強盗を計画して、銃を手に入れた後、父のレイは息子に初めて自分が持っていた夢を笑顔で語る。心温まるシーンだが、なぜか切なくなる。その心温まるシーンが余計に主人公の行動を加速したようにも見えた。
この映画では父親の存在が大きい。映画のラストでメッセージが流れる。こういう悪循環に対して「俺達が変えていくのだ」と。父親が息子に夢を語るシーンで、息子は今からでもなれるさと、父親に現状を変えて欲しい気持ちで声を掛ける、しかし父親は「俺には養う家族がいるからそんな時間はないんだ」と言う。結局は父親はその悪循環を変えていく気がない空しさを知る。
若干17歳(映画制作時)の青年がこのような大きなメッセージを映画に託した事もリアリズムだと感じる。たった17歳の青年マティ・リッチが訴える「俺達が変えていくんだ」という心からのメッセージは、切なく空しいストーリーを大きな希望に変えて、私達の心に大きな感動を残す事になるだろう。
(Unknown, 8/01/07:VHS&DVDにて鑑賞)