黒人は叛逆する - 長田衛

黒人は叛逆する (1966年) (三一新書)

猿谷要氏が黒人全般の歴史の日本人での第一人者なら、この本の著者である長田氏はマルコムXについては日本人でも3本の指に入るでしょうね。マルコムX暗殺の場に居た日本人はYuri Kochiyamaと長田氏。正確に書けば、長田氏の奥様も居たそうなので、3人。Yuriさんはアメリカ生まれの日系人。この長田氏のお陰で、何だか随分とマルコムXを身近に感じてしまうかもしれない。長田氏のお陰でその時の現状と感情を日本語で表現されていると、自分もそこに居たかのような喪失感を感じる。

この本は後に少し内容を変えて、「評伝　マルコムX」となってる様子。その本も読んでる筈。

評伝マルコムX―黒人は叛逆する

でも、この本がですよ、日本で1966年に発行されているのにも驚きました。ここまで書いた長田氏はもっと凄いけど。ただマルコムに入れ込むあまり、マーティン・ルーサー・キングへの批判が多いのも興味深いですね。私は、この2人が居たからこそって思うんですよねって、短大の時の論文「キング牧師とマルコムX」に書いた事があります。やっぱり、どうしても比べたくなるのよね。でも比べても仕方ないのに。

マルコムがなぜに黒人の魂を揺さぶったか...　この本はそれを明らかにしてくれます。

これも古本ですが、100円じゃないですよ。300円です。でも当時の定価が230円。安い買い物したような...