うちに遊びに来た友達がうちの本棚に並んである永六輔の本達を見て「渋いねー」と大笑いしてましたっけ。好きなんですよ、永六輔マニアです。あ、でも彼の大ベストセラーの「大往生」とかも読みましたが、好きなのが彼が芸人について書いた本です。集めるのも、それに関しての本だけですかね。好き嫌いがはっきり分かれそうですけどね、私は好きです、芸人の本は。
この本は、昭和43年の大晦日第19回の紅白を見ながら、色んな芸や芸人について語ってます。司会は、水前寺清子 と坂本九だったらしいです。坂本九の「上を向いて歩こう」の詩を書いたのが、この永六輔ですよね。
今回も目から鱗な言葉が沢山。「伝統の無い芸というのは、新しさを誇る反面、芸がないというコンプレックスが付きまとうのは宿命。その伝統がないための差別に耐えて、みずからの芸と伝統を育て、体形づける、その繰り返しが芸能の歴史」
この前、CNNの特集でラップが攻撃されていた。ラップはアートか?という特集。丁度、永六輔氏が指摘していた事に、そのまんま当てはまりますよね、今のラップは。今は、芸を育てて体形づけている最中。そして攻撃されて続けてコンプレックスの塊です。丁度その番組を見ていた時に、近所の知り合いの女性がうちの子供の頭を編みに来てくれていたんですが、ラップの詩の卑猥さが問題になっていた時、彼女は「なーに言ってるのよね、カントリーだって卑猥じゃない!」と怒っていた。あんまりカントリー聞いた事なかったんで「そうなの?」って聞くと、「やったやらない、殴るとか...そんな詩ばっかりよ」。なんでカントリーは問題にならないんですかね??CNNの人もやたらと「詩が...」って強調してたのに。DJ Unkの「Work It Out」すら問題に... たんなるパーティソングなのに...
ラップもね、アートだから問題にされる訳じゃないですかね?
と、永六輔氏が見たらラップと芸人を一緒にして、怒られそうですかね??彼等もれっきとしたアーティストですよ。一部は...

芸人たちの芸能史―河原乞食から人間国宝まで (1969年) (ドキュメント=近代の顔〈2〉)
- 作者: 永六輔
- 出版社/メーカー: 番町書房
- 発売日: 1969
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