Cast >> Mykelti Williamson (Uncle George), Antwan 'Big Boi' Patton (Marcus), Tip "T.I." Harris (Rashad), Keith David (John Garnett), Lauren London (New-New), Jackie Long (Esquire), Evan Ross (Anton "Ant" Swann), Jason Weaver (Teddy), Albert Daniels (Brooklyn), Bone Crusher (Security), Jazze Pha (DJ) ....
Director >> Chris Robinson
Writer >> Antwone Fisher
総合ポイント >> 4/5点満点
Contents >> 4 Performance >> 4 Direct >> 3 Music >> 5
Welcome to Atlanta where the playas play
高校卒業を間近に控えていたラシャド(T.I.)は、両親を交通事故で亡くし、弟のアント(E・ロス)を何よりも大切にしていた。掃除人をしているジョージおじさん(M・ウィリアムソン)が、2人の両親が残した家のローンを払いながら面倒を見てきた。ラシャドは、日曜の夜にスケートリンクで友達と一緒に過ごす事が唯一の楽しみだった。そこで、ニュー・ニューという女の子に出会い、初めて人に心を許す事を知る。ATL(アトランタ)に住むラシャドにとって、卒業シーズンは暑い夏の始まりでもあった...
音楽業界に於いて、アメリカ南部という場所が、以前にも増して脅威になりつつある。今年のオスカーの1番印象に残ったのが、南部テネシー出身「Three 6 Mafia」の受賞シーン。以前ラップと言えば、西か東か...だった。今は、その中間にある南部出身者がビルボートのチャートを賑わしている。この映画のタイトル、ATL(アトランタ)は、その中心で活躍している。所が映画となると、南部と言えば未だに「風と共に去りぬ」だし、ブラックムービーでも「Eve's Bayou」位で、南部の脅威を感じさせてくれる作品が少なかった。「Eve's Bayou」にしても、現代の文化を扱った作品でなく、南部の回顧録的な映画だった。現代の南部におけるブラックカルチャーを扱った作品は、やっと去年の「Hustle & Flow」で紹介された位だ。「ドラムライン」という作品もあったが、南部に拘った作りでは無かったし。
今回は、そんな南部の若者達の青春が垣間見られるのが面白い。キャラクターの1人をニューヨーク出身にした事で、南部のスラングとNYのスラングの違いを会話にしている辺りも面白い。それだけでなくて、若者が大人になっていく成長過程の映画でもあって、南部版「ボーイズン・ザ・フッド」的で色々と楽しめる。映画として、何と言っても叔父さんを演じたマイケルティ・ウィリアムソンの存在が、興味深い。父でもない存在で、決して父の振りをしない、普通の大人の男という、彼の存在が現実味があり面白かった。
ラッパーのT.I.やBig Boiが主演の映画なので、音楽の面でも間違いなく楽しめる。
これから、こういう南部の青春映画が増えると面白いかもしれない。今回の映画は、アトランタ100%の映画だったので、これからはテネシーやアラバマ、アーカンソー、テキサス産の青春映画が出来たら、土地それぞれの面白さがあって楽しそうだ。
映画産業にも於いて、アメリカ南部が脅威になって欲しい...と願ってしまう映画。
(4/9/06:劇場にて観賞)