Cast >> Alan Rickman (Alfred Blalock), Mos Def (Vivien Thomas), Mary Stuart Masterson (Dr. Helen Taussig), Kyra Sedgwick (Mary Blalock), Merritt Wever (Mrs. Saxon), Doug Olear (Michael Saxon), Gabrielle Union (Clara Thomas), Charles Dutton (William Thomas), Clayton LeBouef (Harold Thomas) ....
Director >> Joseph Sargent
Writer >> Peter Silverman, Robert Caswell
Producer >> Mike Drake, Julian Krainin ....
Genre >> Drama
総合ポイント >> 4点/5点満点
Contents >> 4 Performance >> 5 Direct >> 3 Music >> 4
より深く...
日本語では「青色児症候群」と言われていて心臓欠陥の為に酸素が上手く体内に送られず、体が青くなる事から、Blue Baby Syndromeと英語では言われている。その病気を治す為に動いた2人の医師と、1人のアシスタントの物語。そのアシスタントが、ヴィヴィアン・トーマスという黒人で医師になる事を望んでいて、「神の恩寵(The Lord Made)」程の才能があるにも関わらず、世界恐慌の為に金銭的に大学に通えず、大工として病院に勤める。その時に出会ったのが、アルフレッド・バラロックという外科医。物語は、主にこの2人で進められていく。
1930-40年代のアメリカなので、当然ヴィヴィアン・トーマスは、差別とも戦っていかないとならない。アルフレッド・バラロックは、病気の事で頭が一杯な人なので、差別等の社会的な事には、初心。トーマスも、あまり自分の感情を表に出す事なく淡々と仕事をこなす。ただ、そんな時観客はたまらない絶望感を感じる。トーマスがもっと感情的な男だったら、どんなに観客の気持は楽だったか... あの姿は、余計に観客を切なくさせる。ヴィヴィアン・トーマスを演じたモス・デフは、決して表情を壊さない。「俺は、世界にとって見えない人間さ」という台詞が、余計に切なくさせる。けれど、不思議と劇中では表情豊かに演技をする。仕事を貰った時には笑顔で、本を読む時には探究心の塊の顔を見せ、白衣を着た時には自信に満ちた笑顔で。それとは逆に、もう1人の主演であるバラロックを演じたアラン・リックマンは、実に感情むき出しの演技をしているのが、対照的で面白い。リックマンは、最後の最後まで野心に満ちた演技だ。
映画を見た後に、少し調べてみたが、実際はトーマスはもっと辛い事が多かった。Blue Baby Syndromeで成功した後も、医師の免許を持つことが出来なかったトーマスは、バーテンダーの仕事までしていたようだが、そんな様子は映画ではカットされていたのが残念だ。もうちょっと深くトーマスを知りたかった。
もっともっとトーマスを知りたいと思ったし、もっとトーマスの感情にも深く触れて欲しかった。
(2/22/05)