White Chicks vs Soul Plane
年末スペシャル番組に備えて、今年初めてTVガイドの雑誌を買った。そこで見つけたのが「おバカ映画対決」という説明。バカに「お」つけても、面白くないじゃん...と日ごろから思っていたけど、嫌な予感がしたので、見てみた。あまりにも最悪なので、途中で見るのをやめた。無意味で悪意のある差別を感じたからだ。「おバカ映画対決」という題材だけでも、無意味なのに、さらに「見たくないおバカ映画対決」となっていた。その「おバカ映画」に選ばれてしまったのが、「White Chicks」と「Soul Plane」。
明らかにやる気のない説明に、悲しくなった。ブラックコメディ(黒人のコメディっていう意味で)って、日本には受け入れ不可なのだろうか?コンスタントに日本で劇場公開されるのって、未だにエディ・マーフィだけだ。日本人には、かなり縁遠いのかもしれない。
「White Chicks」や「Soul Plane」も、一見、なーーーんもメッセージ性とか無さそうなんだけど、実はメッセージ性が深かったりするんだけど、気づく人はあまり居ない。と、言うのも、「White Chicks」を作ったウェイアンズが前に作った映画「Don't Be a Menace.../ポップガン」を見ると良く分かる。プロデューサーである、キーネン・アイボリー・ウェイアンズ(「White Chicks」では監督)が、カメオ出演して、わざわざ「Message!」と教えてくれるシーンが幾つかある。「Don't Be a Menace.../ポップガン」は、90年代に流行った、分かり易いメッセージ性のあるブラックムービーをパロディにした作品だった。ウェイアンズは、その分かり易いメッセージをも、その映画で批判していたのだ。なんて事は、日本人には興味ないものね。そういえば、ある本でウェイアンズが嘆いていたのを思い出した。「ブラックエクスペリエンス(黒人が体験する事柄)の映画を作って、彼等(非黒人、特に白人)に見てもらおうとしても、彼等はそれを気にしちゃくれないんだ。自分達の映画を作りたいという事と、みんなに見てもらうという間に、フラストレーションを感じる。」と。
変な番組のせいで、涙出そうになった。その前まで、テレビで久々に「グリマーマン」を見た日で、ウキウキしてたのに。
でも、その変な番組のお陰か、「Soul Plane」を検索して、ここにたどり着いた人も多いのも事実。でも、普通に「面白そうな映画対決」でも良かったじゃん... 悪意感じる内容だったもの。