Cast >> Shawn Wayans, Marlon Wayans, Frankie Faison, Lochlyn Munro, John Heard, Busy Philipps, Terry Crews, Jaime King, Brittany Daniel, Eddie Velez ....
Dir >> Keenen Ivory Wayans
Write >> Keenen Ivory Wayans, Shawn Wayans, Marlon Wayans ....
Point >> 4.75
Contents >> 5 Performance >> 4 Direct >> 5 Music >> 5
人種とくだらなさ。
人種で人を語ろうとすると、実にくだらなく聞こえる。くだらなく、人種を描こうとすると、人は痛い所を付かれる。
今回の映画は、人の痛い所を付いた。黒人男性が、白人女性に化けるだなんて、実にくだらなく聞こえる。けれど、今回の場合、黒人、白人問わずに、「男」と「女」の違いを一緒に見せてくれたお陰で、ユニークな観点を見出してくれた。「男」と「女」の間に差は無くても、違いがあるのは誰でも周知。けれど、我々はお互いの違いを尊重して、何とか生活している。時には、それぞれの違いを愛しながら、時にはそれぞれの違いを補いながら、そして時には、最高の友として語る事もある。
黒人男性が、白人女性に化ける事で気づいた、「違い」。聞く音楽も違えば、話す言葉も違う。人種という事で、「差」だと思い込み、「違い」だとは気づかない我々。そして、一緒に生活する事で、違いを尊重出来るようになった主人公達。他の作品は、いつも黒人男性と白人女性が恋愛する事で、ラストを迎える映画が多い中、普通に友情関係を持ったのが、面白かった。しかも、同等の立場で(この辺が「ドライビング Missデイジー」みたいな作品とは違う)。また、いつもウェイアンズの映画は「人種差別的」と言われる事が多いが、今回の映画は全く違う。差別的な人物は、今回の場合、白人だろうが、黒人だろうが、描かれていた。差別的な人は、「黒人」でも「白人」でもなく、「個人」だって事を上手く描いていたように見えた。
また、説教くさい「ブラックムービー」が多い中、それが全然無かったのもいい。「イラクなんか誰も行きたくない」なんて台詞をさりげなく入れても尚、手を叩き笑い、涙を流し笑い、楽しみながら、ふと色々な考えられた。そして、帰り道に劇中流れていた曲を主人公のように思わず口ずさむ。そんな時、何かフワフワとしていて、いい気分になる。
これこそ、映画が持つパワー。そして、映画だからこそ出来る事。
(8/19/04)