快感に辿りつけるか?『Antebellum』
これは前置き少なく書こう。ジェイーZの『Kill Jay-Z』の監督、ジェラルド・ブッシュとクリストファー・レンズのコンビが監督と脚本と制作担当。『Get Out / ゲット・アウト (2017)』の製作チームが製作しているが、ブラムハウスではなく、ライオンズゲートが製作。歌手で女優としても『Hidden Figures / ドリーム (2016)』などで活躍するジャネール・モネイが主演のホラー作品。新型コロナウイルスの影響で劇場公開からネット配信へと変更された。と、この程度の前置きで...
ルイジアナ州のプランテーション(大農園)は、南部陸軍が所有していた。そこで働かされている奴隷たちは会話や休憩など厳しく管理されていた。そして、逃亡を図った奴隷が見せしめのために殺された。そんな中、奴隷のイーデン(ジャネール・モネイ)はお目付け役の1人に暴力を受けていた。そしてまた新しい奴隷たちがやってきた。その1人が、マスターの娘から「ジュリア」と名付けられた若い女性(キアシー・クレモンズ)だった。ジュリアは隙を見て、イーデンに話す。イーデンは密かに逃亡を図ろうとしていたのだった...
って、書いてますが、ここまでではおよそこの映画の全貌の20%も満たしてないですよ。まーーーーあああ、この映画は想像出来ない!全貌が明らかになった時「うぉおおおおお!」ってなった面白い作品。途中から少しずつ種が明らかになっているのだけど、それでもまだ全貌は分からない。と、全貌がそんじょそこらのことでは分からないよ! ……ってことを書いて文字数埋めてます。これは、何も聞かずに観て欲しい。とにかく観て欲しい。『ゲット・アウト』が「はっはーん!」と分かって好きになった人には、この映画の意味がすごく分かる筈。何と言うか、『ゲット・アウト』で描いたことが理解できる人とできない人が分かれると思うのだけど、この映画も『ゲット・アウト』と同じでリトマス試験紙になる。分かった人は、ゾーっとする。これまたキャスティングが上手い。イーライとか殺された女性とか、もうね、そう見えるもん。
分かった者が辿りつける恐怖感と快感。こういう映画は癖になる。世の中、全てが分かるか分からないか、そのどちらかだから。
(4.75点/1769本目)
www.blackmovie-jp.com